マネーは債権・債務の情報である

デリバティブの代表であるオプションはさらに実体がない。それは「権利の売買」だから。ある値段で原資を売買できる権利を売買するのだ。

例えば、コールオプションの場合:Aの株価が今1,000円として、100円(プレミア)払って半年後に1,100円で買う権利(コール)を買ったとする。で、半年後1,500円になっていれば、権利を行使して1,100円でA株を買ってすぐに売れば400円のゲインだ。プレミアを引いて実質300円。

売り手はプレミアの100円を得ているが、1,500円のA株を買って1,100円で売らなくてならないから400円の損失。900円に下がっていたら、買い手は権利を放棄すれば、損失はプレミアの100円だけ。売り手は何もする必要がなく、ゲインはプレミアの100円。

プットオプションの場合は:Aの株価が今1,000円として、半年後に800円で売る権利(プット)をプレミア100円で買ったとする。半年後500円になっていれば、500円のA株を買って800円で売れば300円のゲインで、プレミアを引いて200円ゲット。

売り手は500円の株を800円で買うので300円のロス。逆に1,500円に上がっていれば買い手は権利放棄で、プレミア100円の損、売り手は何もしないで100円のゲイン。

損益関係をまとめると図の通り。ポイントは買い手は権利だから、逆に動いても放棄するだけ。つまり最大プレミア分の損失だけ。売り手は義務を負うことから、逆に動くと損失は無限になる。

これ、ブツは何もやり取りしていない。権利の売買だけ。つまり債権と債務の権利関係の取引なのだ。えええ、と思う方はマネーの本質を理解していない。そもそも万札それ自体は原価30円。が、日銀が債務を引き受けているので1万の価値が生じる。万札を得ることは1万円分の債権を得ていること。それでモノを買うことはその権利を行使することだ。SEE?

人はこの見えない権利関係のネットワークの中にがんじがらめにされているわけ。金銭消費貸借証書に判を押したことのある人は良く分かるはず。抵当権が外れた瞬間の解放感もね😎

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