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Dr.Lukeの一言映画評&本日の一枚

午前はプールとサウナ、本日は軽く1,000mほど。午後はランチと映画の巡航モード。最近、映画館はやけに人が多い。これも原発の影響か、高齢化のためか・・・。

ファイル 2177-1.jpg

映画はマット・デイモンの『アジャストメント』。最近、彼、この手の作品が多いかもだ。

世の中の運命はすべて“調整”されていた。SFの巨匠K・ディックの原作をマット・デイモン主演で映画化。

スラム出身のデヴィッドは上院議員候補として選挙戦をリードしていたが、過去のスキャンダルにより落選してしまう。敗北宣言を控えたデヴィッドだが、エリースという女性と偶然出会ったことから予定とは違うスピーチをし、結果的にそれが功を奏す。そんなデヴィッドの動向を、“アジャストメント・ビューロー”のエージェントたちがチェックしていた。2年後、そのエージェントのミスからデヴッドはエリースに再会。しかし、デヴィッドは、エージェントたちから二度とエリースに会わないよう警告される。

Fate-誰がそれをデザインし、どのように導くのか。「ブック」に書いてあり、議長の「御心」に従うべくエージェントたちが黒子のようにアジャストするのだ。人の自由意志とは何か、運命は確定しているのか、と。「カルバンVs.アルミニウス」の議論になってしまいそうだが、神学の幼稚な議論についてはずっと前に触れた(→カルバンvsアルミニウス-決定論と偶然論)。

現代の「カオスの理論」の知見によれば、私たちの認識能力では必然か偶然かは判断できないのだ。すなわち次の非線形写像(Logistic写像)による数列{Xn}は初期値を与えると確定的に決定する。

   

ところがパラメーターaの与え方によっては動きがまったく予想できなくなる。つまりXnが0.5より小さい時を裏、以上の時を表とする系列は、さいころを投げてできる系列と1:1に対応できるのだ(Are you with me?)。確定した写像から偶然を生み出すことができるわけ。

コチラで実験ができる

この様子を描いたLogistic Mapは次のとおり(横軸はa)。

   

Xnの振る舞いは臨界点である「ファイゲンバウム点」を超えるとまったく予測不能になる。さらに「初期値敏感性」と言って、Xoを極々僅か変えると、その後の振る舞いがまったく異なるものとなる(「バタフライ効果」とも呼ぶ)。まあ、ややこしいことはこれまでにして、要するに、私たちの認識能力には必然と偶然を識別する能力はないのだ。にも拘らずオツムのよろしい神学者は延々と不毛な議論を続けるわけだが、まあ、ご苦労様なことだ。かの佐藤優氏も言っている、神学者は○×だ、認識論を考慮するべきなのだと*1

さて、と言うわけで、昨今のApocalypse的状況においては、FATEの問題、すなわち誰がこの世界を計画し、どのように動かしているのか、それはすでに決定しているのか偶然によるのか・・・などなど、ちょいと自分の永遠の運命に想いを馳せ、この世の人生を考え直すには絶好のキッカケを与えてくれる作品ではある。

                      *   *  *

ファイル 2177-2.jpg

本日の一枚はHilary Koleの"Sweet Moment"。甘くかつアンニュイなヴォイス。うっとりを身と心を任せらえる作品。ルックスもややAngelina Jolieに似て、わがfavoriteでもある。

                      *   *  *

PPMから始まってちょっと60,70年代辺りが懐かしく、Youtubeを探検していると、ガンで2001年に主の許に逝ったGeorge Harrisonの"My Sweet Lord"が・・・。Sweetの続きと言うことで・・・。


ついでにこちらも。エレキギターの甘く切ない響きが実に高校生の私の心にキューンときた曲、"While My Guitar Gently Weeps"。


*1:まあ、東京神学大学などは偏差値××で、大学の存続自体が・・・以下略

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blue gale

つりでしょうか?一応指摘させていただきます。krishnaはHindu教の神のようです。^^

  • 2011/05/28 19:55
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