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所感

2013年、「ターニング・ポイントの年」と年賀状に書いた。特に「イヤー・オブ・ウォー」と繰り返し言っている。私たちは聖書預言的に見ても歴史的事件を目撃する。いよいよ中東が火を噴きそうだ。Twitterで流したが、イスラエルがシリアを爆撃、アサドも宣戦布告した模様。ついでにオバマのホモ疑惑が・・・。一部では彼の牧師が相手とも!?

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さて、諸々の世事を離れて、漢詩の世界に籠っているDr.Lukeではあるが、絵画もけっこう好きなのだ。何分、場所がないので実際の筆は取れないが、写真を加工して遊んでいる。静物画って、けっこう見ていると心が落ち着くのだ。

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漢詩と言うと男の世界。ところが晩唐に魚玄機なる女性がいた(844-871)。漢詩の才は抜群。字は蕙蘭(けいらん)・幼微。長安の遊里に生まれ、20歳で高級官僚李億の妾となるが、後に捨てられる。清らかな心に憧憬し、道教に入るも恋愛感情を燃やし、ついには愛人と侍女の関係を疑って彼女を殺害。死刑となった。享年26歳。恋に燃えた数奇な一生だった*1。この女性の漢詩がかなり艶かしいのだ。

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自ら嘆ず多情は是れ愁い足しと
況や風月 庭に満る秋に當るをや
洞房 偏へに更聲と近し
夜夜 燈前に 白頭ならんとす

この詩でも自分の感情を持て余し気味だが、それでも自分をこのように客観的に表現する術を持っていたのに、最後は自分の情を昇華しきれず、嫉妬から殺人を犯してしまう女の業。唐代も現代も、女の気持ちは普遍的なのだろう。just as...

スカイレストラン

秋の愁い

わたしは知っているの、いろいろな人を愛する気持ちが強いから、愁いも深いと
そう、まして今はさわやかな風と月の光が庭に満ちる秋だから
それにわたしの部屋は時を告げる鐘の音に近いところにあるから
夜ごと、燈火の前であの方を待つうちに白髪になってしまいそう

*1:電気屋さんが「美の条件」シリーズをモノされていたが、私の心惹かれる唐人お吉について、単なる造作がソレ系なのは魅力を感じない。抗いがたい運命を負っていたり、人生の陰を負っていたりが魅力となる、と書いた。魚玄機は、この点、生まれが遊郭、実力はあるのに自分の女であることを残念がるなど、私的には十分に惹かれる女性ではある。なお、その生涯は森鴎外の小説『魚玄機』を参照のこと。

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