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葉聲蘇萬物

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(七絶・平起式・下平声一先韻)

猩紅 垂柳 輕煙を帶びる
嬌鶯(きょうおう) 能(よ)く語る 五月の天
衣濕(うるお)ひ 葉の聲は 萬物を蘇す
泊懐 興に乗じ 酔ひて陶然たり

猩紅=真っ赤な花;輕煙=かすかに霞んださま;泊懐=俗を離れた心

真っ赤な花と垂れた柳、辺りは薄く霞んでいる。鶯が高い声でよく鳴いている五月の空。ふと、汗で衣服が湿り気を帯び、木の葉がさらさら鳴ると万物が生き返る感覚だ*1。心が世を離れると気持ちが昂じて、酔ったような歓喜に満たされるのだ*2

(C)唐沢治

*1:ヨハネ3章7-8節(John 3:7-8)を酌んでいるのでよろしく。
*2:ローマ14章17節(Rom 14:17)を酌んでいるので、アゲイン、よろしく。

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