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池に臨む一羽の鳥は何を想いしか

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(七絶・平起式・上平声一東韻)

花叢 翠柳 春風を擅(ほしいままに)す
荷葉 依依として 趣 同じからず
流鶯 伴を求め 鳴く聲 響く
獨鳥 池に臨み 意 何ぞ窮らん

咲き乱れる花々も、緑の柳の枝々も、春風に想いのままに吹かれている。蓮の葉はお互いに寄り添いつつも、それぞれの趣きは異なっている。木々の枝を飛び交う鶯は伴侶を求めて、互いに呼び合う声が森に響く。ふと見ると池の杭に一羽の鳥が、果たしてその想うところは窮めることができるのだろうか。

Only The Lonely

(C)唐沢治

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