この夏のチャレンジ(その1)
- 2013/07/14 18:23
- Category: 日記
- Tag: 漢 武帝 漢詩
先の『大秦帝国』では、残念ながら始皇帝まではカバーしていない。法家思想による商鞅の変法の英雄譚だ。今で言う改革派として、既得権益者たちと対立しつつ法治国家の基礎を築いていく。恋愛ドラマと政治的葛藤、そして最期は英雄的な死。仕えた孝公の死後、後ろ盾を失った彼は、既得権益者たちにより酷刑である車裂きに処される*1。かくして中國最初の統一国家秦の基礎がなるのだ。
で、今回は、秦を飛び越えて一挙に漢。つまり前漢の武帝のドラマ『漢武大帝(全58話)』。司馬遷の『史記』に基づいた作品。漢の武帝(前156年~前87年)は漢王朝七代皇帝として、漢を全盛時代に導いた。16歳で即位、その在位期間は55年。北では匈奴の侵入など、外敵との緊張もあったが、この時代の漢は全盛期を誇った。儒教を国教化し、楽府を興し、神仙世界に憧れた。次の詩は武帝44歳の時の作品で、李白にも影響を与えた。楚辞の流れを汲む。最後の二句にソロモンを彷彿とする。
秋風辞
秋風起って 白雲飛び
草木黄落して 雁南に歸る
蘭に秀有り 菊に芳有り
佳人を懷うて 忘るる能はず
樓船を泛べて 汾河を濟り
中流に橫たはりて 素波を揚ぐ
簫鼓鳴りて 棹歌を發す
歡樂極りて 哀情多し
少壯幾時ぞ 老いを奈何せん
秋風起って 白雲飛び
草木黄落して 雁南に歸る
蘭に秀有り 菊に芳有り
佳人を懷うて 忘るる能はず
樓船を泛べて 汾河を濟り
中流に橫たはりて 素波を揚ぐ
簫鼓鳴りて 棹歌を發す
歡樂極りて 哀情多し
少壯幾時ぞ 老いを奈何せん
*1:実際は逃亡の果て、秦の討伐軍により殺され、その後死体を車裂きにされたようだ。