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この夏のチャレンジ(その1)

先の『大秦帝国』では、残念ながら始皇帝まではカバーしていない。法家思想による商鞅の変法の英雄譚だ。今で言う改革派として、既得権益者たちと対立しつつ法治国家の基礎を築いていく。恋愛ドラマと政治的葛藤、そして最期は英雄的な死。仕えた孝公の死後、後ろ盾を失った彼は、既得権益者たちにより酷刑である車裂きに処される*1。かくして中國最初の統一国家秦の基礎がなるのだ。

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で、今回は、秦を飛び越えて一挙に漢。つまり前漢の武帝のドラマ『漢武大帝(全58話)』。司馬遷の『史記』に基づいた作品。漢の武帝(前156年~前87年)は漢王朝七代皇帝として、漢を全盛時代に導いた。16歳で即位、その在位期間は55年。北では匈奴の侵入など、外敵との緊張もあったが、この時代の漢は全盛期を誇った。儒教を国教化し、楽府を興し、神仙世界に憧れた。次の詩は武帝44歳の時の作品で、李白にも影響を与えた。楚辞の流れを汲む。最後の二句にソロモンを彷彿とする。

秋風辞
秋風起って 白雲飛び
草木黄落して 雁南に歸る
蘭に秀有り 菊に芳有り
佳人を懷うて 忘るる能はず
樓船を泛べて 汾河を濟り
中流に橫たはりて 素波を揚ぐ
簫鼓鳴りて 棹歌を發す
歡樂極りて 哀情多し
少壯幾時ぞ 老いを奈何せん

*1:実際は逃亡の果て、秦の討伐軍により殺され、その後死体を車裂きにされたようだ。

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