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Dr.Lukeの一言映画評

PCがウイルス感染してダウンした。いろいろ試したが、ついにクリーン・インストールを敢行。ようやく仕事ができる程度に復旧した。大切なファイルはすべてバックアップを取っているので問題はないのだが、かなりの時間を浪費した

で、頭の冷却のために映画を。北川景子と深田恭子のスリルサスペンス『ルームメイト』。

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派遣社員として働いている23歳の萩尾春海は、ある日、交通事故に遭い昏睡状態に。命に別状はなかったものの頭を強く打ち、片足は骨折、しばらく入院することになってしまう。そんな春海を気遣い優しく支えてくれたのは、看護師の西村麗子だった。春海と麗子。患者と看護師として病院で初めて会った二人だったが、なぜか互いに親近感を覚え意気投合。春海の退院をきっかけに麗子はルームシェアを提案し、一緒に暮らし始める。「麗子みたいな人だったら、ずっと一緒にいたい」「私もだよ、春海」と、二人の共同生活は順調に見えた。麗子の奇妙な言動を目にしてしまうまでは……。ひとつ、またひとつ不可解な事件が春海の周りで起き、ついには殺人事件までも引き起こしてしまう。そして、春海の前に麗子と見た目がそっくりのマリが現れる。

もっとも近しい人が自分を裏切る恐怖。その信頼していた、しかし自分を裏切る自分にもっとも近しい人物の正体は、実は・・・。ネタバレになるのでここまで。しかし、そのさらに裏があった。現代的なサイコサスペンスだ。そう、『プラチナデータ』とモチーフは同じなのだが・・・。

現代社会は社会の中に自分の居場所を見出すことができない時代。派遣や契約の非正規雇用が38%に至る今の状況、誰が真に信頼でき、誰が自分の味方なのか。自分をどこに置けばいいのか。人間関係も危うく、しばしば表と裏の乖離に驚くことが多いのだが、そのスキマにうごめく者、実はこの者がもっとも怖い。かくして美女二人が演じるとホラー度も深まる。それにしても深田恭子はドラマ・シリーズ、『セカンド・バージン』や『幻夜』でもその美しさと裏腹の実に冷たい心から生まれる恐怖を感じさせてくれた。ある面、何をやってもつねに同じなのだが、それはそれでハマリどころがあるとけっこう魅力的なものとなる。お薦め。

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