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秋浦歌-李白

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秋浦の歌
白髪三千丈
愁いに縁りて箇くの如く長し
知らず明鏡の裏(うち)
何れの處にか秋霜を得たる

晩年の孤独を詠ったもの。鏡に映った自分の顔に、いつの間にかこれほどに秋霜のような髭面になってしまったものか、と嘆息する老境の詩人。人は歳を経るほどに人間とこの世が見えてしまうことは兼好法師も綴っている。かつて盛唐の玄宗皇帝の世、皇帝の下でその天才振りを発揮した李白。酒をこよなく愛し、皇帝からお呼びがあっても、俺は天下の李白だ、として酩酊状態。美人の誉れ高い楊貴妃を前漢時代の美人、趙飛燕に比したために、宦官高力士の讒言により玄宗の怒りを買って左遷。阿倍仲麻呂とも交流があった。最期は、なんと、水面に写った月を取ろうと手を伸ばして水に落ちて死んだとの逸話が残されている。享年62歳。いかにも李白的。その詩は多彩で変化に富み、ゆえに後に詩仙と称される。

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