代ゼミの終焉
- 2014/08/23 20:15
- Category: 独白
- Tag: 代ゼミ ニッポンの終焉
90年代初頭、全国で7万人の生徒数を誇っていた代ゼミ。今回、ついに27校舎のうち7校舎のみを残して閉鎖する。
かつては白小切手で人の顔を札束で叩くように人気講師を引き抜き、サテラインゼミなどを展開。現在でも代々木にいわゆる代ゼミタワーが威容を誇っている。
これは一部ではかつての理事長高宮氏の墓石とも言われているが・・・。
現在は例の「今でしょ!」の東進にすっかりお株を奪われた。その経営母体の株式会社ナガセも、かつての代ゼミと同じように、札束を積んで代ゼミから人気講師を引き抜いていた。代ゼミは自分の手法でナガセにやられたのだ。まさにブーメラン。図体がでっかくなった分、小回りが利かなかった。現在は小さく細やかな指導が求められているのだ。しかし代ゼミの終焉はニッポンの近未来の姿と重なると極私的には感じている。ニッポンの繁栄はまさに代ゼミが象徴する受験産業の隆盛と共にあったからだ。一時代の終わりを感じさせるニュースだ*1。追記:代ゼミは模試およびセンター試験集計からも撤退とか。情報がウリの業界で、これは全面撤退を意味する。もはや代ゼミのレーゾンデートルは失われている。残された7校舎も危ういだろう。
追記の追記:都市伝説のように言われていたことだが、代ゼミの建物はホテル仕様になっていて、いつでも転用できるらしいのだ。どうも不動産業に転身する、あるいはすでにしているとのニュースも流れている。確かのあの経営態度は、教育産業としてはある種の投げやり感じだったから、十分にあり得ることだ。
*1:驚いた、日経夕刊の一面記事になっていた!?
鈴木貴士
時代は多から少へ。集から個へ。大衆浴場が家庭風呂に変わっていったのが、すべてを象徴しています。そして、もうひとつの時代の流れはプロからアマチュアへ、です。カラオケの隆盛がそれを如実に物語っています。ブログやSNSの登場で、誰もがジャーナリストです。