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世界情勢を透視する視点-心-

このBlogでも、私は前から、経済学は数学の装いをつけているが、それは眉唾で、実は心理学だ、と言っている。実際デリバティブの基になるブラック・ホールズ方程式とても、はっきり言って、私たちから見ると「なぜ?」と思うことは前に指摘した。最近ではノーベル経済学賞も廃止すべしとの説もある。

ファイル 765-1.jpg"SAPIO"の3/25号に大前賢一氏がそのことについて注目すべき記事を書いている。いわく「誰も金融パニック渦中の"心理経済学"を分かっていない」。要するに現在の混乱は信用不安、つまり人々の心理が冷え込んでいることによる。私の昨年のバビロン・シリーズのメッセージでも、経済は信仰だと言ってきたが、このところを外していわゆる経済対策を取っても何も効がないと指摘。大前氏の提唱する「有時の経済理論」の三法則とは

 ・第一法則:人の心が凍っているパニック時に金をばら撒いても経済波及効果はない→防衛のため消費に回らない。
 ・第二法則:金融機関から市場性や社会性が失われること→防衛のため自分の生き残りだけを考える。
 ・第三法則:金利を下げても借り入れが増えない→金利の影響を受ける流動性を持つ層は自己資金内でやりくりするだけだから。

かくして、ここでも何度も指摘しているが、人々の心を暖めることが肝要なのだが、大前氏の提唱する方法は

 ・個人も財務諸表を作成し、住宅などの原価償却を認めること→経費で落とせるため節税になり、住宅投資も促進する。
 ・企業の原価償却の期間を短くする→投資を活発化する。
 ・雇用政策はエブリワン・ハッピーはあり得ない→ニートやフリーター層対策のために金を使っても無意味。有意の層を厚遇すべきだ。

そして浜田和幸氏は「アメリカで囁かれ始めた"ドル廃止""金本位制復活"そして"新通貨AMERO導入"の驚天動地」と題する記事を書いている。ドルの信認は地に落ちているわけで、これを打開するためにはたとえ1/10でもゴールドとリンクさせる必要があり、さらにはカナダ・メキシコを巻き込んで新通貨を作る過程で6,400兆円の財政赤字をチャラにする試みの可能性も指摘する。私は友人の先生たちと半分冗談で「今の時代、最善の経済対策は徳政令だな(笑)」と話し合ってきたが、どうもこれもあながちホラでもなくなりそうだ。そしてアメリカは中国を国債などの引き受け先として、日本ろロシアを見捨てるとも予測する。これも私はここで何度も指摘してきた。

個人にしろ、国家にしろ、自己増殖&自己保存欲求に従って行動するわけで、今の状況では自己防衛に終始するわけ。そのことを念頭におけば世界がどう動くかは予想できる。それは経済理論に従って動くのでなく、この自己保存欲求というきわめて原始的なプロトコルなのだ。社会や教界に関する私の診立てのかなりの部分が当たる理由は、私が占い者でも、いわゆる予言者であるからでもない。私は心理を読み取ることができるからだ。前から言っているとおり、私は陰謀論史観でもなく、予定論史観や偶然論史観でもなく、精神病理史観を採る者なのだ。もちろんそこに諸霊とニンゲンの魂との相互作用が働いているし、先に述べように、神は主権を行使し、摂理によってすべてをご自身のご計画の成就のために用いられる。

今後大衆が切に求める、また自身をすらそれに委ねるであろうもの-それは自己保存欲求を満たしてくれる存在。それは本来神だったのであるが、人類は「何か」に置き換えたいのだ。ここにバビロン由来の宗教・経済複合体が侵入する隙があるのだ。「何か」がすなわちアイドル(偶像)となる。ゆめゆめあなどってはなりませぬぞ、アイドルとはかくも深く人間の実存性と関わるものなのだから。

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