Dr.LUKE'S iDLE UTTERANCE

いつもの再建主義の富井氏のディスペンセイション攻撃の度合いが以前にも増して強くなっている同氏いわく：

ジョン・コールマン博士の『イルミナティと三百人委員会の21の目標』によると、ディスペンセーショナリズムに支配されたファンダメンタリズム（福音派）はイルミナティと三百人委員会の道具である。
・・・
ジョン･ダービーは「東インド会社の僕」であるという。
イギリス東インド会社は、ロスチャイルドの組織である。
・・・
イルミナティと三百人委員会の目標の一つに「民族意識の破壊」がある。
すべての民族的アイデンティティと民族的プライドを徹底的に破壊する。世界統一政府の概念を機能させるには、このことに最大の注意を払う必要があった。
戦後、日本人から愛国心を奪ったGHQとその置き土産である日教組は、この目標のために活動してきた。
ディスペンセーショナリズムに冒された現代の日本の教会も、日本人としての民族意識や民族的プライドを破壊するために活動している。
・・・
教会は、ディスペンセーショナリズムと決別すべきである。
決別しない限り、自らの熱心によってますます悪魔のシオニズムを促進し、世界統一政府の実現を支援することになる。

ジョン・ネルソン・ダービーは元々聖公会の教職で、いわゆる「プリマス・ブレズレン」の指導者のひとり。英国聖公会に対するアンチテーゼとして、教職制度を一切採らず、名称も何ももたなかった。ただ主イエスの名の下で集まっていた。したがって外の人たちは彼らをして「ブレズレン（兄弟たち）」と呼ぶほかなかったのだ*1。しかし彼らも主の再臨の時期をめぐって分裂し、「開放的ブレズレン」と「閉鎖的ブレズレン」に分かれ、今は細々と諸集会ができているようだ*2。通常は「○○（地名）キリスト集会」と称する。

さらにウィットネス・リーの"The Local Church（地方にあって合一の立場に立つ教会、召会）"は自らを「○○に在る教会」と称して、自分たちこそが唯一の正統な立場に立つ教会であるとする。つまり礼拝あるいは集会は勝手に始めてはならず、すでに各行政区ごとに存在する彼らの地方教会に属する必要があるのだ。あるいは彼らによる正統性の認知を受ける必要がある。それ以外の教会あるいは集会はすべて主イエスが憎まれる分裂の教会であるとする。
続き
私自身はダービー訳聖書も含めて、彼らの聖書の解き証しから学ぶところが多かったので、ダービーのルーツを探ることもなかったが、最近の状況は彼に対する評価はきわめて悪いものがあるようだ。彼の教えを埋め込んだ聖書がスコーフィールドのリファレンス・バイブルだ。これも私の愛用するところで、彼が愛人を作って離婚暦が数回、詐欺師として司直も上げられていたとか・・・。現代の殺伐とした世界情勢はすべて彼らの終末論に基づいてイルミナティを中心とする陰謀論者たちが醸成しているというわけだ。したがって現イスラエルの1948年の再建国も陰謀論者たちによるフェイク。今の中東情勢も自作自演で終末をもたらそうとする彼らの策と言うのだ。もっと言えば原発事故も、小沢氏などの失脚も、だ。

富井氏は再建主義のポストミレというフィルターを通して現在の世界情勢を解釈している。すなわち悪魔の業であるゆえに、ディスペンセイションやプレミレとは手を切って、終末を自作自演する連中の企てを祈りによって粉砕し、千年期にふさわしく、文字通りのキリストの御国を打ちたてようとする。私はといえば、ダービー系のプレミレで見ているために、世界情勢はなるほど聖書預言のとおりになりつつあると解釈している。確かに悪魔の意図やフェイクもあるだろうし、陰謀もあるだろうが、しかしなお、主イエスの主権を認め、今ここにおいても主は王であるゆえに、あらゆることが神のご計画の成就へと摂理的に用いられると信じている。だから、むしろこの悲惨な世界で「イエスは主である」と宣言しつつ、安息して人生を楽しんでいる。ディスペンセイションにはまって、学位や仕事や家族を投げることもなかったし*3、主イエスの再臨まではふつうのおじさんとして、当たり前に生きることが求められていると思っている。まあ、確かにあまり世の組織に深入りすることもめんどうではあるから、最低限の関わりでできるだけ可能なだけの益を得ているが。かくして人として地上における生活をひととおり経験させてもらった*4いや、むしろ遊びすぎでこの世に堕ちていると非難もされているほどだ*5。

さて、そこで問題。富井氏はどうして人生の辛酸をなめたのであろうか？ディスペンセイション神学のゆえだろうか？私はプレミレのディスペンセイションを採っているが、主はすべてを捨てよ、とは導かれなかったし、むしろすべてを与えてくださった。しかも求めるところを超えてかなり豊かにである。主イエスは異なる聖書解釈を持つ者にはその人生においてしかるべき導きを下さらない方なのであろうか？悪魔の教えであるディスペンセイション主義を信じる者には真理の導きを語っては下さらない方なのだろうか？主はヨハネの行く末を気にするペテロにはっきりと言われたではないか。あなたはわたしに従いなさい、と。神学や聖書解釈や誰それの預言やムーヴメントに従えと言われたのだろうか？主の声は今ここに、私たち一人ひとりの霊の中にあるではないか。モーセでもなく、エリヤでもなく、ただこれに聞け、と父なる神も言われたではないだろうか。

*1：現在、伝道出版社系の集会ではこの名称すらも受け入れないし、自分たちは「ブレズレン」ではないとする。
*2：私は彼らの最近の詳細は知らないので、どなたか消息を教えてくださるとありがたい。
*3：周囲には確かにそれらのことを地上のものとして捨てた人々もいたことは事実だ。私はそれには警戒心を持っていた。保険に入るのは不信仰であり、献金すべしとか言われたこともあるが、言われるほどに保険には次々に加入した
*4：よって、酢いも甘いも知り尽した熟男なのだ。ハハ
*5：繰り返すが、私はキリスト教徒ではない。まして牧師でもなければ、聖職者でもないのだ。埃はいくらでも出るのだ、・・・と、威張ることでもないが