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Category: 漢詩

春の漢詩、薛濤の春望詞其一

1024000379674e090836.jpgSetto.png3年前までは実に憂鬱な春。花粉症でイライラ、ジリジリ・・・。今では嘘のように解放された。

で、改めて、春。そう、漢詩の季節だ。漢詩は元々男子の世界だったが、前に紹介した情熱の美女魚玄機(ぎょげんき)やインテリ美熟女薛濤(せっとう)の作品がなかなか艶があってイイのだ。「薛濤箋」でも有名。

そこで薛濤のいかにも春らしい作品を・・・。こんな詩を書いた薛濤箋をもらったら、これはもうヤバいねcool

春望詞 其の一
花開くも 同(とも)に賞せず、
花落つるも 同に悲しまず。
問わんと欲す 相(あい)思(おも)ふ処、
花開き花落つるの時。

花が咲く時あなたといっしょに楽しめず、花が散る時あなたと一緒に悲しめません。
あなたと思いを共にできるところはどこでしょう。花が開くときですか、花が散るときですか。

 

春の詩を二題

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立春も過ぎまして、春めいてきました。で、春の詩を二題。

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春風を愁う  一石
玄天に 春意(しゅんい)動き
淑氣(しゅくき) 晴空に滿つ
却(かえ)って恨む 花の涙を含むを
愁(うれ)え教(し)む 粉を送るの風
(五絶・仄起式・上平声一東韻)

これは花粉症で苦しんでいた頃に詠んだもの。今は癒されております。

次は巨匠王維のもの。並べるのはちょっと・・・ですが

shakshu.jpg酒を酌んで裴迪(はいてき)に与う
酒を酌んで君に与う 君自ら寛(ゆる)うせよ
人情の翻覆(はんぷく)は波瀾に似たり
白首の相知(そうち)も猶を剣を按(あん)じ
朱門の先達は弾冠(だんかん)を笑う
草色全く細雨を経て湿(うるお)い 
花枝動かんと欲して春風寒し
世事(せじ)浮雲 何ぞ問うに足らん
如(し)かず 高臥して且つ餐(さん)を加えんには

ここまで生きるとけっこうこの境涯が共有できるわけ

漢詩:愁天-一石

20161123-1.JPG

shuten.jpg

愁天   一石
清爽たり 金風の裏
愁いを添ゆ 黄葉の天
歳華 相待たず
処士 飛仙を望む
(五絶・仄起式・下平声一洗韻)

千樹眠亦望生―一石

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千樹 眠りて 亦 生を望む   一石       
秋雲 寂寞として 人に逼(せま)るの寒
葉は落ち 蕭條として 白露 摶(たん)たり
繁枝 借まず 揺落(ようらく)盡(つく)す
閒(しず)かに眠る 千樹 為に懽(かん)を承(う)く
(七絶・平起式・上平声十四寒韻)

再掲:秋日偶成―呈明道

IMG_6850.JPG

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釈意:官位を離れて閑散たる生活に入ってからというもの、何事においても心はゆったりとしている。ぐっすりした深い眠りから目覚めれば、すでに朝日が東の窓に赤々と差し込んでいる。周囲の事物を静かに眺めると、各々、はまりどころ得てしっくりと収まっている。四季の織り成す心地よい趣は、人と渾然一体となり移り変わっていく。私の信じる道は天地の間にあって浸透し、その無形の思いは風に流れる有形の雲にまで入り込む気分になる。たとえ富んだ者になっても富に耽溺せず、貧しく低い身分でも生きることを楽しめる。男子たる者、このような境地にいたるならば、真の豪雄である。

主はこう仰せられる。「もしわたしが昼と夜とに契約を結ばず、天と地との諸法則をわたしが定めなかったのなら・・・」-Jer 33:25

神の法則、理に則って生きること、これが安楽な道。逆らわず、もがかず、身も心も任せること。それは即ち、いのちの御霊の法則だ。五感の領域を脱皮すること、スーパナチュラルに生きることでもある。

真に神に任せるならば安楽である。-ブラザー・ローレンス

白露過ぎに

このところKingdom Fellowshipのサイトの方のメンテに集中していたが、ようやく形が着いたところ。若い人たちはPCやキーボードが使えないとか。スマホとパッドが主流なわけで、サイトも今までのような古典的な作りでは置いてきぼりにされる。

・・・というわけで、レスポンシブ対応でマルチメディア指向仕様にしました。記事もかなり読みやすくなっておりますので、よろしくです。またこのブログもスクリプトをWordpressに変更しようかと、今いろいろやっているところです。

で、本日は9.11。あれから丸15年。世界は変質した。その後、3.11を経て、一挙に終末モードが深まっている。が、われわれは落ち着いた生活をつつましくもスーパーナチュラルに送りたいと思っている。最近、FBの方にウエイトが傾いていて、すでに白露(7日)を過ぎたのだが、一応、ここでもご披露しましょう。李白を意識しております。

(この宿は20年来のお気に入り、下賀茂温泉の南楽。おススメです)

 

20160911-1.jpg

hakuro.jpg

 

 白露     一石
 幽庭の風樹 客心驚き
 涼夜に紗窗 白露生ず
 蟋蟀(しつしゅつ) 憐れむに堪えたり 天宇淨なるを
 星河 揺落し 詩情を 動かさん

 ※紗窗=きれいなカーテンのある窓、蟋蟀=こおろぎ
(七絶・平起式・下平声八庚韻)

李白の原詩はこちら、スケールが壮大

廬山の瀑布(ばくふ)を望む 李白
日は香炉を照らして紫煙を生ず、
遥かに看る瀑布の前川(ぜんせん)に挂(か)かるを。
飛流直下 三千尺
疑うらくは是れ銀河の九天より落つるかと

 

曹操の気概

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soso.jpg

神龜は壽なりと雖も
猶ほ 竟るの時有り
騰蛇は 霧に乘ぜども
終に土灰と爲る
老驥 櫪に伏せども
志は千里に在り
烈士 暮年に
壯心已まず

晩夏熟想

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晩夏に熟す想ひ 一石
晩夏 清風の夕(ゆふ)べ
殘炎に 秋意(しゅうい)何(いくばく)か
濤聲(とうせい)に 幽興(ゆふけふ)熟し
暮懐に 金波 瀉(そそ)ぐ
(五絶・仄起式・下平声五歌韻)

 

■直訳:立秋も過ぎ、暦の上では晩夏。海風がさわやかな夕暮れ時。残暑も残るが、秋の気配を感じられる。波の音に風流な感覚も熟しつつ、暮れ時の懐に黄金に光る波が寄せてくる。

■釈意:私の人生も夏の終わりに差し掛かるが、爽やかな命の風を味わいながら、まだ夏の暑さの余韻も残しつつ、人生の秋を迎えつつある。波の音にも自然の妙味を覚えて感動し、人生の暮れに向かうわが心にも、依然として金色の輝きの波が押し寄せているのだ。

田中角栄の"漢詩"

國交途絶幾星霜,修好再開秋將到。
鄰人眼温吾人迎,北京空晴秋氣深。

まあね、これ国辱とまで言われているわけで・・・。平仄もでたらめ、押韻もなし、文法もアウト。和臭どころのレベルではない。で、毛沢東が田中に贈呈したのが『楚辞集註』六巻。

この意図については憶測がいろいろあるが、単純に言って、お前は幼稚園レベルとの皮肉。これも分からないのが田中。だいたいこんなのを漢詩のオリジナル国 に差し出す神経が理解できん。私などは一応体裁は整えているが、怖くてとても分かる人には見せられない(あ、ここの読者が分からないと言うわけではござ いませんので・・・💦)。

で、結局それ以後、舐められ続けているのがわが国なのだ。今般の挑発行為も、爆買いも。健気にも自衛隊や海保が懸命にその尻ぬぐいをさせられ、最近の都内高級デパートは爆買いがなくなって閑古鳥だとか。

が、けっこうおもしろい論評があったので紹介する。実に高度なアイロニーだ。

・田中角栄の漢詩について(⇒http://quni.biz/ping/negoto/kakuei.html

一方、こちらはかなり学術的な論考。

・田中角栄の迷惑、毛沢東の迷惑、昭和天皇の迷惑(⇒http://www.21ccs.jp/china_quarterly/China_Quarterly_01.html

田中角栄の残した「漢詩」とその漢字の理解力がその後の日中外交の質を定義したと言えることは間違いないだろう。しかし、クラゲのように漂うわが国は何処へ向かっているのだろう。

追記:この最初の人の自己紹介がオモシロい。よく分からんが、私も同類だ。
http://quni.biz/ping/intro/myself.html
「私は、愛とは何か、というテーマについて考え続けている人間です」、「自分は、『老子』に新しい注釈を施し、キリスト教の神学体系にそれを矛盾無く取り込むことをライフワークにしています」

それにしてもブラックホールの論文も書いて、「五行」の研究で東大から博士号取得???

追記の追記:

角栄擁護の論考(⇒http://www.marino.ne.jp/~rendaico/kakuei/sisosiseico/motakutokaidan.htm

虚勢は滅びに先立つ

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本日、関羽が死んだ。といっても、今観ているDVDの中でだ。すでに実勢を失いつつも、プライドによる虚勢を張り、情勢を甘く見て、部下の進言も拒絶し、曹孫軍に挟み撃ちされる。『演義』では少数の手勢で勇猛果敢に打って出て、追い詰められ自決。『正史』では降伏するフリをして時間を稼ぎ逃亡を図るが、討たれる。享年58歳。

人間、実績を積むことは大いなる罠となる。50代ってそこそこ自信も余裕も生まれ、己が何者かのように思える、そんな感じのシーズンではある。関羽も思い込みゆえ、部下の情報にも耳を貸さず、敵を見くびるミスを犯す。実績と自信が思い込みを生むのだ。

shuyu.jpg

すでに亡き呉の周瑜は36歳で逝った。孔明にライバル意識を燃やしつつも、常に先読みされて敗北を喫する。天はなぜ孔明を生んだのかぁ!と叫びつつ逝くのだった。この二人、関羽と周瑜、実によく似ている。忠義の士、勇猛果敢、己に頼むところすこぶる厚く、実績もある。が、イマイチ読みが浅い。結局はプライドのために己を滅ぼす。その際、共に毒矢を受けたことが致命傷となる。

いやはや、人生模様はまことに多彩にして狭き道なり。かつて曹操は詠んだ―

 酒に對して当に歌ふべし
 人生 幾何ぞ
 譬ゆるに朝露の如し
 去る日は苦だ多し
 慨して当に以て慷すべし
 幽思 忘れ難し
 何を以てか憂ひを解かん
 惟だ杜康有るのみ(杜康は酒の名)

その曹操も関羽の死後、まもなく死ぬのだった。で、これから司馬懿と諸葛孔明の戦いになるわけだ。さてさてまだ楽しめるゾ・・・。

亡国の予感-詩人の感性

rakuyugen.jpg

登楽遊原  李商隠
晩くれに向(なんな)んとして意(こころ)適わず
車を駆(か)って古原(こげん)に登る
夕陽(せきよう) 無限に好し
只だ是れ 黄昏(こうこん)に近し

昏に心満たされぬまま、車を走らせて、古い山に登った。
夕日は限りなく素晴らしく美しい、が、もはや黄昏が近いのだ。

晩唐、あれほど栄えた唐ももはやその勢いを失い、滅びる予感が漂っている。そんな思いを夕日に投影した作品。極私的にもこの国の近い将来とダブるのだ・・・・。

この写真は山崎豊子原作の『沈まぬ太陽』(WOWOW)から拝借したが、あれほど盤石と見られていたJALも無残に滅びた。内部はすでに腐臭を放っていたが、その膿がJAL123便として溢れ出たのだ。そして311では・・・。安倍さんが辞めた時がヤバい。

映像と実体

20160719-4.jpg

daiga.jpg

題畫    玉堂
小景を摸成して 最も癲頑
墨を清し 丹を磨りて意匠難し
忙殺す 許多(アマタ)の閑伎倆
如かず筆を抛(ナゲウ)ちて眞山に對せんには

 

神の国は言葉(ロゴス)にではなく、力(デゥナミス)のうちにある。

 

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