ポストミレvs.プレミレ
今晩もまたニコラス・ケイジの『レフト・ビハインド』が放映されるようだ(⇒http://www.wowow.co.jp/pg_info/detail/108083/index.php?m=01)。 まあ、ノンクリスチャンの方にとってはトンデモ系妄想物語と思われると推察するところではあるが・・・。この作品はT・ラヘイらによる、ディスペンセイ ション主義に基づくシナリオ。つまりジーザスは千年期前に再臨され、エクレシアはさらにその前に上げられる、いわゆる前艱難期(ダニエルの最後の7年)携 挙説に立つ。これをプレ・ミレニアムと言う。
これに対して、すでに今は千年期であり、すべての国民が弟子とされた暁に、つまり地上にジーザスの国が司法的にも社会的にも経済的にも、自然法に基づくの ではなくモーセ律法によって確立した後にジーザスは再臨される、とする立場がある。これをポスト・ミレニアムと言う。アメリカでリバタリアン主義に影響を 与えているラッシュドゥーニーの再建主義が有名。
この二つの立場は黙示録をいかに解釈するかの差による。プレミレではフーチャリスト、つまり未来を予言してい るとし、ポストミレではプレテリスト、つまりすでに成就しているとする。なお、プレテリストにもパーシャル(今は千年期とする)とフル(今は新天新地とす る)があるが。とにかくマタイ24章やルカ21章の終末の様はAD70年のエルサレムの陥落を予言したものであると言うわけ。つまり黙示録の終末はすでに 終わっていると・・・。
さて、ここで問題となるのが、黙示録の成立時期だ。ポストミレによれば、それはAD70年以前に書かれていなくてはならない。が、通常はヨハネの晩年、 AD90年代に書かれたとされている。ポストミレでは黙示録の"666"をネロと同定し(これは私も同意)、ネロが同書17章の6番目の皇帝であるとす る。よってヨハネが黙示録を書いていた時の皇帝であると言うわけ。つまり黙示録はAD60年代に成立したと。しかし、ここにトリックがあるのだ。カギはギ リシャ語の"επεσαν"の意味にあるのだが・・・、ここではこれまで。興味のある方はこちらをどうぞ!
・666の正体は?(⇒http://www.dr-luke.com/diarypro/archives/3033.html)
・ポスト・ミレか、プレ・ミレか?(⇒http://www.dr-luke.com/diarypro/archives/4396.html)
なお、携挙の時期については保留。小生も、希望的立場としては前艱難期を期待するところではあるが・・・。