Dr.Lukeの一言映画評:病みを感じる『ハクソー・リッジ』

観ました。一言、これ、フェイスの映画ではない!私の目から見れば、精神的トラウマを抱えた主人公の病理的信念を貫く物語に過ぎない。自分は一度父親を銃により殺しかけたという良心の呵責をなだめる自罰的行為だ。それが歴史的事実として75人を救ったことは評価するけどね。

そもそも徴兵によるのであればそれなりに理解できるが、自分だけぬくぬくできないから志願するわけだ。が、銃は拒否すると。もし真の良心的兵役拒否であれば、腰抜けと言われても故郷に留まるべきだったでしょう。

どうもあの『サイレンス(沈黙)』にしろ、こういった病理的現象を聖書と絡めて、英雄譚に仕立て上げることは、極私的には嫌悪感を覚えるところだ。この作品でも、自分は神を信じているが神の声は聞こえないとか。神の声を聞くことがあたかも病気であるかのような印象を残す。クリスチャンは神の声を聞くことができる人なのだ。

わたしの羊はわたしの声を聞いて、わたしに従ってくる。-ヨハネ福音書

そもそもメル・ギブソン自身がかなり深く病んでいるからね。彼の病理性と主人公のそれが共鳴した作品と見えた次第。こういった作品を評価するクリスチャンには病みを感じるところだ。怖いね。

(陰の声:相手は日本兵、しかも沖縄戦だ。それを忘れてはいけないよ!)

追記1:ちょっと検索したら、私と同じ視点の評価を見つけた。⇒こちらへ
追記2:この主人公はセブンスデイ・アドベンティストであることは一応頭に入れておいてほしい。土曜日を安息日として絶対的に守り、カレンダーも通常のユリウス暦などは否定する。要するに必ずしも新約聖書の原則に即する「信仰」を持っている人々ではない。

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