項羽と劉邦のコントラスト

項羽は疑心暗鬼(パラノイド)から亜父とまで呼んだ長年の忠臣軍師范増をも捨てる。虞子期の仲を取り持つように言われた虞姫も言う、わたしはあの人を知り過ぎました。何をどう言ってもムリですと。范増もすべてを悟り、ホントの道化は自分が道化だって知らないのじゃとつぶやく。そして荒野に退き、独り逝く。

対する劉邦。滎陽を脱する際、身代わりの候補紀信を周苛が庇う。しかし紀信は身代わりを喜んで引き受け火刑に処される。周苛も項羽に捕らえられ、上将軍に取り立てるとの項羽の甘言を拒否し、釜茹でに処される。項羽の部下は呟く、劉邦はどんな手を使ってここまでの忠誠を・・・と。

項羽と劉邦の運命はこの辺りではっきりとした。高い家柄の項羽、戦術にも長け、頭もかなり良い。が、秦兵を20万人虐殺したり、天意と人心からは遠く離れている。劉邦はやくざ出身、教養も作法もないが、飄々として懐は深い。項羽は策によって人を動かさんとし、劉邦は心をとらえることによって人が自ずと動く。

昨今の北のあの方やわが安倍氏を見てると、どうしても項羽の運命と重なるのだが。すでに彼らは天意からも民心からも捨てられている。

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