フェイスは心から-カギは霊と魂の分離-

イエスは日々十字架を負い、自分を捨て、魂のいのちを否めと言われた(Luke 9:23-24)。何度もここで書いているが、それは魂の機能である知性・感情・意志の活動を停止し、私の意識が消失することではない[1]こういった状態を「悟り」とか勘違いする向きがあるようだが、それは宗教。。それはナンセンス。しかし、こう勝手に解釈して、自分が死なない、死のうとするとますます生きてしまうと葛藤し、自作自演的にクルシチャン化する者がいる。真理は霊から独立して機能する魂を否めと言うことであり、私たちの魂はキリストに依存するとき、ますます栄えるのだ。

生きているのは、もはやわたしではありません。キリストがわたしの内に生きておられるのです。わたしが今、肉において生きているのは、わたしを愛し、わたしのために身を献げられた神の子フェイスによるものです。-Gal 2:20

パウロは明確に、生きているのは私ではないとしつつ、肉において私が生きていると証ししている。キリストのフェイスに頼るとき、私(の自意識)も生きているのだ。この二つの「私」の間には十字架の死と復活がある。だからヨハネはこう祈っている:

愛する者よ、あなたの魂が栄えているように、あなたがすべての面で栄え健康であるようにと祈っています。-3John 1:2

ヨハネ書簡において、邦訳では「恵まれて」となっているが、ヘブル語は”euodoō(栄える)”だ。人類はいのちの木の実を取り損なった。その実体はキリストご自身。その方フェイスによって生きるとき、

待ち続けるだけでは心が病む。かなえられた望みは命の木。・・・願望がかなえられれば魂は快い。-Prov 13:12;19

かなえられた願いはいのちの木、すなわち信仰の実の一要素である喜びを生む。イエスご自身がこう約束されている:

あなたがたがわたしにつながっており、わたしの言葉があなたがたの内にいつもあるならば、望むものを何でも願いなさい。そうすればかなえられる。・・・これらのことを話したのは、わたしの喜びがあなたがたの内にあり、あなたがたの喜びが満たされるためである。-John 15:7-11

喜びは魂の感情の機能であり、霊的サブスタンスにタッチする時、天の喜びが私たちの霊に反映し、それは魂の感情に触れて、喜びとして体験することできる。いつも喜んでいなさい、は単なる標語や絵に描いた餅ではない。リアルである(1Thess 5:16)。ハレルヤ! キリストフェイスに頼って生きる魂はますます栄え、神の国を表現するのだ。その霊に満たされた魂が語り出す言葉(レーマ)は、霊であり、いのちである(John 6:63[2]私はこれを<ロゴス×フェイス=レーマ=霊=いのち(Zoe)>と定式化している。聞いたロゴスにフェイスを混ぜること(Heb 4:2)。。ゆえにパウロはこう勧めている:

そして思いの霊において新しくされなさい[3]邦訳では「心の底から」とか意味不明の訳になっているので注意。-Eph 4:23 

はっ? 思い(mind)は魂の機能では? 確かにそうだが、ここの思いには霊が浸透しているのだ。これがトランスフォームされた思い(Rom 12:2)。私たちの魂、特に思いはもはや霊から独立して勝手に彷徨うことはない[4]思い煩い、後悔、自責感、抑うつ、焦りなどは彷徨う思いの兆候だ。もちろん敵の放つ火矢もある。。それは霊と御言葉にしっかりと根付いている:

だから、あらゆる汚れやすべての悪から離れ去り、移植された御言葉(logos)を素直に受け入れなさい。それは、あなたがたの魂を救うことができます。-James 1:21

魂が栄え、すべてにおいて健全であること。これはまず思いのトランスフォーメーションから始まる。思いが霊と真理に基づいているならば、感情は安定し、健やかかつ豊かであり[5] … Continue reading、意志もそれによって言動を決める。こうして私たちは神の国のポータル(門)として、地上に神の国を現出させるのだ。ゆえにハデスの門もエクレシアに打ち勝つことはできない(Matt 16:18)。ますます大胆にイエスの名によって求め、願いをかなえていただこうではないか!

さて、ここでカギになるのは霊と魂の切り分けである(Heb 4:12☞霊と魂の分離について)。多くのクリスチャンが混乱するのは霊と魂が切り分けられていないから。魂の声を主の声として信じてもそれは実現しない。霊に響き渡る声を聞く必要があるのだ。

例えば、年老いたアブラハムとサラは子供ができると聞かされたとき、共に笑った(Gen 17:17;18:12)。彼らの魂の思い(mind)はその告知を受け入れることができなかった。なぜ? 地的な常識あるいは知識に反するから。しかるに、へブル書にはこうある:

信仰によって、サラもまた、年老いていたが、種を宿す力を与えられた。約束をなさったかたは真実であると、信じていたからである。-Heb 11:11

ここでポイントは、神の言葉(レーマ)を聞くとき[6]ロゴスは真理を固定的かつ客観的に説明する言葉であり、レーマは即時的かつ主観的に語られることばである。、思いは必ずしもその内容を納得することはできないのだ。「はあっ?」という反応がほとんどであろう。それはアダム系の価値観の体系-マトリックス-をはるかに逸脱するからだ。が、フェイスはある。なぜなら、神が語ったから。神が「光よ、あれ」と語ると、光があったのだ。それは私たちが納得するとか、私たちが改めて信じるとかの問題ではない。この点、使徒行伝で、ペテロとヨハネが美しの門にいた足萎えを癒したとき、こう証している:

ペテロはこれを見て、人々にむかって言った、「イスラエルの人たちよ、なぜこの事を不思議に思うのか。また、わたしたちが自分の力や清さ[7]この原語は”eusebeia”、ふつう「敬虔」と訳されている(1Tim 3:16神をエミュレートする)。で、あの人を歩かせたかのように、なぜわたしたちを見つめているのか。-Acts 3:12

つまり、その癒しは彼らの何かによるものではないというわけだ。フェイスは聞くことから、聞くことは神の言葉(レーマ)による(Rom 10:17)。この部分を、聞くことによりフェイスを「生み出す」と解する向きがあるが、これは意訳の結果だ。原語では

αρα η πιστις εξ ακοης η δε ακοη δια ρηματος θεου

「よって/その信仰/から/聞く/その/また/聞く/経由/レーマ/神の」となる。サラの場合も「聞く即フェイス」だったのだ。私があなたに「今日は暑いですね」と語る。それを聞くことそのものがフェイス。つまり「今日は暑い」というサブスタンスを得るのだ。このとき私たちの思いがどうのこうのは関係ない。神の声を一旦聞けば、それはどうあがいても否定しようがない。あとはそれに従うだけ。するとその実体(サブスタンス)が現出するのだ。

問題は思いがトランスフォームされていないと[8] … Continue reading、御言葉自体もスルーしてしまうし、神に聞く姿勢も起きない。さらに思いが聞いたことばをあえて拒絶するならば、もちろん従うこともない。ゆえに実を得ることはできない。あるいは思いが自分のことや何か特定のことでイッパイ・イッパイの場合、霊は抑圧され、聖霊の働く余地がない。感情も同じだ。そこで一度、魂が死ぬ必要がある[9] … Continue reading

このとき、魂のマインドは透明にされ、御言葉の光はスッと通過する。あたかもカメラのレンズが透明であり、しかもシャッターが開いていれば、自然と光を受けるのと同じ。これをフォティーゾと呼ぶことはすでに述べている。するとその霊の光は私たちの霊に感光し、それを魂が思いにより言語化あるいは映像化し、語り出すあるいは行動に移すとき、それは五感の領域に実体化される。カギは魂がしゃしゃり出ないこと。魂はあくまでも霊に服することである(☞聖霊による魂と霊の分離オペ)。

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References

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1 こういった状態を「悟り」とか勘違いする向きがあるようだが、それは宗教。
2 私はこれを<ロゴス×フェイス=レーマ=霊=いのち(Zoe)>と定式化している。聞いたロゴスにフェイスを混ぜること(Heb 4:2)。
3 邦訳では「心の底から」とか意味不明の訳になっているので注意。
4 思い煩い、後悔、自責感、抑うつ、焦りなどは彷徨う思いの兆候だ。もちろん敵の放つ火矢もある。
5 イエスが笑ったかとか議論する人々がいる。イエスは実に感情豊かだった。人前でもよく泣いた。しかめっ面とフェイスは反比例するのだ。あと、目が笑っていない牧師の笑顔とも、ね💦
6 ロゴスは真理を固定的かつ客観的に説明する言葉であり、レーマは即時的かつ主観的に語られることばである。
7 この原語は”eusebeia”、ふつう「敬虔」と訳されている(1Tim 3:16神をエミュレートする)。
8 しばしばレーマを得てからその現出までにタイムラグがある場合が多い。この間に私たちの思いは揺れる。自分の聞いたことが勘違いだったのではとか、思い込みだったのかとか。あるいはある種の待ち時間が必要となるのだ。私たちの魂は待つことが苦手なのだ。
9 先に述べたように、魂の諸機能が機能停止することではない。凝り固まった魂のエネルギーが一度抜かれるとでもいうべき状態に入る事。これは「脱魂的エネルギー状態」とも言えるかもしれない。もちろん十字架の働きによる。

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