漢詩
無知は恥を知らない大胆である
國交途絶幾星霜/修好再開秋将到/隣人眼温吾人迎/北京空時秋気深 これに対して毛沢東は『楚辞集註』を田中に贈った。その意味はいろいろ解されているが、向こうも対応に困ったと思う。一国の首相が「ちょうちょ、ちょうちょ」レベルの「漢詩」を贈ってきたのだからね。 まことに無知は恥を恥とも感じない罪である。 ち…
またあの季節がやってまいります
寒さの中にも春の気配を覚える今日この頃、このなまめかしい風につい身を構えてしまう。そう花粉の季節。分かる人には分かるこのつらさ・・・。と、かつてはだった。2015年以降、ほとんどあの辛さはなくなっている。 今年は1.5倍だそうだが、はたして。それにしても全員がマスクの時代が来るとは、お釈迦様でも、で…
漢詩:獨鳥意不窮-一石
獨鳥意不窮 一石花叢 翠柳 春風を擅(ほしいままに)す荷葉 依依として 趣 同じからず流鶯 伴を求め 鳴く聲 響く獨鳥 池に臨み 意 何ぞ窮らん(七絶・平起式・上平声一東韻)…
白居易の漢詩から見るタコツボ・ワールドの悲喜劇
對酒 白居易 蝸牛角上 何事かを争う石火光中 此身を寄す富に隨ひ 貧に隋ひて 且らく歓楽せよ口を開きて笑ざるは 是れ癡人(ちじん) カタツムリの角の上みたいなちっぽけな世間で何を争っているのだ、火打ち石のような儚い火花のような人生に生まれたのだ。富があればあったで、貧しければ貧しいで、人生を楽しめ…
浮世を離れ神のマトリックスに生きる
浮生 一石 流鶯 碧樹に 前盟を話す 藍花 空林に 世情を遺(わす)る 遥かに覊懐(きかい)を想うも 人 已(すで)に遠し 新荷 滿目にして浮生を樂しむ (七絶・平起式・平下八庚韻) 鶯は友と相応え、紫陽花(集真藍)は美しく、昔の女性(ひと)を想い起こさせ、蓮の葉は魚鱗のごとく輝き、竹林は幽に…
世事都訛-丸川さんの質問答弁に思ふ
世事 都て訛たり 一石 當年 風貌 細腰(さいよう)多し 浮客 時を痛む 髪己(すで)に皤(しろ)し 何(なん)ぞ人生に耐えん 胡蝶の夢((夢の中で胡蝶(蝶のこと)としてひらひらと飛んでいた所、目が覚めたが、はたして自分は蝶になった夢をみていたのか、それとも今の自分は蝶が見ている夢…
Dr.Lukeの一言映画評:「空海」
傾国の美女と言われる楊貴妃(楊玉環)の死の秘密を、後の遣唐使空海と白楽天(白居易)が探る幻想物語。史実に基づきつつ、中国の伝奇物語風にアレンジし、安禄山の安史の乱により追われた玄宗皇帝によって自死を求められて逝く悲話をファンタジックに脚色。高力士に靴を脱がさせて讒言され、宮廷を追放された李白譚も絡め…
聖書の世界と漢詩の世界:バイブレーションの共鳴
頬を刺す空気の冷たさ、実に気持ちがイイ✨五感の刺激が魂に共鳴する時、漢詩を詠みたくなる。そう、自然の美しさや神秘に触れる時に、私の内には何らかの感動が起こり、それを表現したくなるのだ。音楽家は音楽で、絵描きは絵画という媒体を用いてその感動を表現する。 芸術も人生も波動のコンボリューショ…
形影神・神釈-陶淵明
老子の無為自然あるいは禅の境涯に通じる陶淵明の詩。終わりの部分のみ。 形影神・神釈 陶淵明 大化の中に縱(まか)せ浪(ただよ)ひ 喜ばず 亦た懼(おそ)れず 応に尽くべくんば便(すなわ)ち須(すべ)からく尽くべし 復た独り多く慮(おもんばか)ること無かれ 注:大化=宇宙の法 まこ…
漢詩:水鳥の春夢―一石
水鳥の春夢 一石 梅花 亭上(ていじょう) 流泉(りゅうせん)を聴く 日漏れて 波紋 春憐れむ可(べ)し 澹澹(たんたん) 翠微(すいび) 酒の如く緑なり 知らず 水鳥 夢相牽(あいひ)くを (七言絶句・平起式・下平声仙韻) …