神の増殖を増殖する-エロヒムとはスピリチュアル・ドメイン-

この表現、ほとんど日本語では理解不能だろう。コロサイ2章19節である(Col 2:19)。邦語訳は

このかしらから出て、からだ全体は、節と節、筋と筋とによって強められ結び合わされ、神に育てられて成長していくのである。(口語訳)

このかしらがもとになり、からだ全体は、関節と筋によって養われ、結び合わされて、神によって成長させられるのです。(新改訳旧版)

と、体よく(オツムに入り易いように)意訳されている。今週のメッセで紹介した田川訳では

すべての身体はこの頭から発して、筋や筋によって支えられ、組み上げられて、神の成長を成長するのである。

岩波訳では

体全体はこの頭によりもろもろの関節と靭帯を通じて支えられ、一つに結び合わされ、神〔に由来するところ〕の成長を実現してゆくのである。

とあるが、この〔〕は訳者による意訳であり、欄外注には

直訳は、「神の成長を成長する」

とある。原文は

αυξει την αυξησιν του θεου

英語に置き換えれば、“increase the increase of God”である。

この点、英語訳でも

increaseth with the increase of God.(KJV) ; grow by the growth of God.(ABP); is growing in the growth of God.(CLV)

など、訳者による”with”や”by”や”in”などの補いがある。つまり

神の成長(増殖)を成長(増殖)する?!

というような思考はとても生まれながらの(=魂主体の)人のマインドに入りきらないのだ。それは神由来であるから。

自然魂(Gk)の人は神の霊に属する事柄を受け入れません。その人にとって、それは愚かなことであり、理解できないのです。霊によって初めて判断できるからです。-1コリント2:14

まず、エロヒム(Elohim)とYHWHについては、ここでも何度も指摘しているし、2017年の夏の『神の新創造セミナー』で説いているが、エロヒムを神(God)、YHWHを主(LORD)と訳すことによって、元々の啓示から逸脱しているのだ。エロヒムはそもそもエルの複数形、YHWHは「ありてある(I-AM)」すなわち最も高きエロヒムの固有名詞である。結論だけ言えば、エロヒムとはもろもろの霊的生命体の総称である。その最高位の存在がYHWH、われわれが信じるいわゆる父・子・聖霊としておられる存在であり、創造主なのだ。

そして最も高きエロヒム(I-AM)はご自分のいのち(Zoe)をインプラントすることにより、ご自身のいのちの系列を増殖しておられる。われわれはI-AMの霊から生み出された新しい生命体であり(John 3:6;2Cor 5:17;Gal 6:15)、その生命とは霊であり、エロヒムなのだ。もちろんパースン(Person)としてはYHWH(父・子・聖霊)とは異なる。

イエスは彼らに答えられた、「あなたがたの律法に、『わたしは言う、あなたがたは神々(エロヒム)である』と書いてあるではないか。神の言を託された人々が、神々(エロヒム)といわれておるとすれば、(そして聖書の言は、すたることがあり得ない)・・・-ヨハネ10:34-35

この詩篇の聖句(Ps 82:6)についてHRB (Hebrew Root Bible) では次のように注釈する。

This psalm is talking about mankind’s great potential to become a literal child in the family of Yahweh.

すなわち文字通りのYHWH家の子供たちとされるポテンシャルを人類は有しているのだ。中村家の子供として生まれることは、単なる養子のような法的立場を得るのではなく、中村家の血統(=DNA)を受け継ぐことであり、中村族とされることである。もちろん子供たちは父と母の人格(Person)とは異なるが、中村家のいのちを共有している。中村族の繁栄のためにその子供たちは「中村族の増殖を増殖する」のである。

Dr.Heiserによれば、エロヒムとは霊的領域であるとする(”The Unseen Realm: Recovering the Supernatural Worldview of the Bible”)。それは霊的生命体としてのドメインである。生物の分類に<ドメイン、界、門、目、科、属、種>と階層があるように、霊的生命体の領域(ドメイン)である。われわれの身体(Body)と魂(Soul)は五感の領域(ドメイン)に属するものであるが、霊(Spirit)はエロヒムの領域(ドメイン)に属するものである。元々人の霊はYHWHが吹き込んだ息(neshâmâh)である。つまり物理的ドメインのものではなく、霊的ドメインのものである。

かくして、われわれの再生(再誕;ボーンアゲイン)された霊はエロヒム・ドメインであり、福音を伝えることは人の死んでいた(機能停止)していた霊を新たに聖霊によって生み出し、エロヒムのいのち(Zoe)を増殖するのである(☞エロヒム属の誕生)。

御父は、御心のままに、真理の言葉によってわたしたちを生んでくださいました。それは、わたしたちを、いわば造られたものの初穂となさるためです。-ヤコブ1:18

あなたがたは、朽ちる種からではなく、朽ちないから、すなわち、神の変わることのない生きた言葉によって新たに生まれたのです。-1ペテロ1:23

ここの言葉はロゴス、それは種であり、原文では”sperma”すなわち精子である。われわれの体は精子と卵子の結合により物理的ドメインに生み出された。われわれの霊は主の霊との結合(1Cor 6:17)により霊的ドメイン、すなわちエロヒムの中に生み出されたのである。これを混同したのがニコデモである。彼はジーザスに問うた、人は年を取ってどうして再び生まれることができるでしょうと。

繰り返すが、御言葉を日本語のマトリックスで理解してはならない。ましてや「日本文化に文脈された福音」などはフェイクである。まことに不可知論者であり、神の存在を信じないクリスチャンを自称する田川氏の主張とその訳は正鵠を得ているのは神の逆説である。聖句は理解できずともそのままにしておけ。人が勝手な解釈を入れた意訳などはするなと。

神の増殖を増殖する。主は言われた、一粒の麦が地に落ちて死ねば多くの実を結ぶと。麦が撒かれたら麦が成長するのだ。エロヒムが撒かれたらエロヒムが成長する! それが遺伝というものである。キリスト教、特にニッポンキリスト教などの呪縛から解かれよ! あなたは自分が何者であり(identity)、どこにおり(position)、何をなし得て(ability)、何を得ているのか(inheritance)。あなたのiPAIに覚醒せよ! 地を這いずり回る人生から一瞬で天へと引き上げられるであろう!

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