本日の一冊:『日本人が学ぶべき西洋哲学入門』-正義は病んで狂気へと走らせる
最近、脂がのってる茂木誠先生と日本人以上に日本人的なジェイソン・モーガン氏による対話形式の著書。要点を実に端的にまとめてくれている。
そこで購読の途中報告としてメモっておこう(FBより転載)。
ジェイソン・モーガン氏いわくー
絶対的な正義を通そうとすればするほど、おかしなことになることがあるので、それも危ない。しかもアテネの帝国化が進む中、正義が政治家に利用されて西洋社会で、正義と帝国主義が必ずセットとして生まれてくるという西洋思想の誕生がよく見える。GHQの日本洗脳工作のもととなったWGIP(War Guilty Information Program)の思想的ルーツは、紀元前431年から始まったアテネとスパルタが戦ったペネポネソス戦争にまで根を下ろしています。
まことに同意だ。YHWHの言葉に対する不従順(罪)ゆえに善と悪を知るようになった人類の宿痾とも言える正義の追求。それは時に狂気を生む。今回のトランプ暗殺を試みた男の主張もまさに正義による狂気である。
その西洋の深層動機については「完全性と宣教主義が西洋のDNAを支えている」とも言う。まことにそのとおりだ。聖書(このターミノロジーも違和感を覚えるが)はもともとアングロサクソン人種やアーリア人種、つまり白人とは関係ない。それはセム族に由来する。むしろ白人がそれを専横していると言える。この点、ノアを通してこう預言されている:
カナン(黒人種の祖)は呪われよ、奴隷の奴隷となり、兄たちに仕えよ。セム(ユダヤ人など有色人種の祖)のエロヒム、YHWHをたたえよ。カナンはセムの奴隷となれ。エロヒムがヤフェト(白人種の祖)の土地を広げ(ヤフェト)、セムの天幕(ユダヤ・キリスト教)に住まわせ、カナンはその奴隷となれ。-Gen 9:25-27
かくして白人は専横した「聖書」の価値観を自己正当化の根拠として(完全性)、自分らは「神の正義」の旗印の下、無知で野蛮な未開諸民族を文明化するために世界の海を巡り(宣教主義)、帝国主義による武力支配(植民地化)を行ったのが中世以降の世界史である。実はその本質は搾取であったのだ。
日本は唯一、この白人の正義に基づく完全性と宣教主義に抗し、アジア諸国を植民地状態から解放したのだった。戦艦大和やゼロ戦を作ってしまう未開民族であるべき日本人は彼らにとって受け入れがたい、認めたくない脅威と意識された。日本人を恐れること自体が彼らのプライドを傷つけるのだ。この深層心理にある恐れが、反動形式として民間人空襲爆撃や、ついには原爆投下にまで至らしめたのだ。彼らの根底には日本人絶滅への抑えがたい衝動が隠されている[1]林千勝氏によると、原爆は「日本」に落とすのではなく、「日本人」に落とすべきとされ、十数発が予定されていた。
天皇による配慮によって物理的な絶滅は免れたが、GHQによる徹底的な日本精神と日本文化の抹消作業がWGIPを通してなされた。これは霊的また精神的な去勢であり、代わりに罪責感を植え付けられた日本人は二度と自立することをできなくされた。そもそもこの罪責感は白人が深層心理に有しているものであり、それを直視し回心することを回避するために、日本人に投影して押し付けたものである。ヘレン・ミアーズ女史が指摘する通り、日本はアメリカの鏡なのだ。
このような文脈の中で生み出されたのが、ニッポンキリスト教である。西洋の闇と病みに基づく宣教主義により、そもそも専横され、西洋化された「聖書」に基づく奇形である白いキリスト教の劣化コピーであり、ゆえにそもそもが闇を包含し、病んでいる。戦後の日本基督教団の振る舞いなどはその闇と病みの典型的症状である。
かつて鹿嶋春平太(肥田日出生)氏が「ニッポンキリスト教は当初から闇の中だ」と喝破した通りだ。そして日本民族総福音化などの宣教号令の下で、実は牧師たちの「バベル憲章」の実現のため「リバイバル音頭」を虚しく踊らされて飼い殺しにされているのがクルシチャンである。
ニッポン社会とニッポンキリスト教は合わせ鏡であると20年以上指摘してきたが、両者の病理を理解するためには、まず西洋の病理を知る必要がある・・・。
References
↑1 | 林千勝氏によると、原爆は「日本」に落とすのではなく、「日本人」に落とすべきとされ、十数発が予定されていた。 |
---|
是非フォローしてください
最新の情報をお伝えします