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Dr.Lukeの一言映画評と本日の二枚

ファイル 1059-1.jpg休みの日、やはりDr.Luke的には映画です。邦題はやや過激で『あの日、欲望の大地で』。原題は"The Burning Plain"。まあ、「燃える草原」とでも言うべきか。ある日、草原に置かれたトレーラーが爆発、焼け跡から男女の遺体が発見されるところから話が始る。洒落たレストランのマネージャーを颯爽とこなすシルヴィアは、その表の顔と裏腹に行きずりの男と情事を重ね、また自傷行為に陥っていた。心の深くに抱える罪の意識と悲劇の記憶から逃れようとしていたのだ。

その頃メキシコで娘マリアを持つ男の農薬散布の飛行機が墜落。重症を負った彼は友人にある真実を告げる。友人はシルヴィアの前に現れ、"それ"と思った彼女は彼を誘うが彼はその誘いを拒絶し、謎の行動を取る。彼はマリアを連れ、シルヴィアに真実をもって迫るが彼女は拒否し、その心の中深くに抑圧している真実から逃げる。が、マリアとの関わりを通して、それが少しづつ露わにされていく。そしてついにシルヴィアはそこから逃れることはできないことを知る時、彼女の心にある変化が起こるのだった。

まあ、精神病理的には、真実を抑圧し、それから逃避するためにて、同じような行動(間違っていると分かりつつも)を繰り返して、自分を傷つけることを強迫反復と称する。女性でよく男に何度も何度も裏切られて傷つくことを繰り返すタイプの人がいるが、シルヴィアもまさにその典型的症例と言える。このような病理を抱えたシルヴィアをシャーリーズ・セロンが実に巧に演じている。セロンは私のfavoriteだ。

ファイル 1059-4.jpg実は彼女自身も父親のDVが原因で、母親が父親を射殺すると言う悲劇的な家庭に育った。作品的にも、全米を恐怖に陥れた女殺人鬼を演じた『モンスター』で、体重を15†も増加して醜い女を鬼気迫る演技で演じたもした。最近では、ここでも紹介したが、トミー・リー・ジョーンズ主演の『告発のとき』などが印象に残る。さらに往年のセクシー女優キム・ベイシンガーが妻と女の間で引き裂かれる、女"性"を失っていく切ない熟年女の葛藤を実に巧く演じている。大人の鑑賞に耐える作品だ。

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ファイル 1059-2.jpg一枚目はJazz Vocal、Andrea Mannのデビューアルバム"PHOTOGRAPH"。彼女自身の自主制作とか。ヴォイスはシルキーで、実に深みのある低音。キャッチコピーがDiana Krallの再来とあったのだが、やや違う。しかしなかなかにイイ。(ルックスはややモナ系だ)

A mixture of standards, bossa novas, reworked pop songs and one original number † all arranged and produced by Andrea † Photograph is a beautifully mellow, late-night album.

ファイル 1059-3.jpg二枚目はR&B/HipHopのLeTOYAの"Lady Love"。実にメリハリのあるヴォイスとリズムがやはり黒人系、ビヨンセなどと同じノリだ。それもそのはず、Destiny Childのメンバーでもあったのだから。"LeToya"とは"victorious one"の意味だとか。しかし黒人と白人のハーフは実に美しい。

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午後は温泉Spa Libur YOKOHAMAにてまったりと。露天風呂から見上げる空がやたらと青く、肌をなでるそよ風が実に心地よい。

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