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Dr.Lukeの一言映画評

ファイル 1252-1.jpg抱擁のかけら』。なかなかに濃厚なオトナの恋愛と、愛憎の物語。Dr.Luke的にはかなり好みの作品である。

ペドロ・アルモドバル×ペネロペ・クルスによる、愛の誕生、死、そして再生を描いた濃厚なラブストーリー

盲目の脚本家のハリー・ケインは新聞記事で実業家のエルネストが亡くなった事を知る。その後、エルネストの息子がハリーを訪ね、自分の監督作の脚本をハリーに依頼。それをきっかけに、ハリーは封印していた過去に向き合う。今から14年前、失明する前のハリーは、新進監督マテオとして活躍していた。ある日、マテオはオーディションにやってきた美しい女性レナに心奪われる。しかしレナは、実業家エルネストの愛人だった…。

かつて新進気鋭の映画監督だったハリーがいかにして盲目になったか。そこに至るまでのレナとのオトナのしかし純な関係を中心に謎解きが進む。彼らは共にエルネストから、ランサロテ島へと逃避する。そこで抱擁する彼らのたくさんの写真。ところがそれらはすべて破り捨てられる。そして迎える悲劇の瞬間。それを撮影していたエルネストの息子のカメラに写っていた真実は・・・。

ハリーは悔やむ、「俺たちは抱擁しない間に、別々に事故にあっってしまった」と。しかし最後の瞬間のシーンを見たハリーの息子は、彼らがキスをしている場面を見出す。盲目のハリーは見ることができないそのスクリーンへと両手を伸ばす。何とも甘く切ないラストだ。

主演のペネロペ・クルスは、ここでも紹介した昨年の今頃公開の『エレジー』でその魅力を知った。大学教授と教え子のオトナの純粋な恋愛。これもラストが甘く切なかった。ややオードリー・ヘップバーンと似ている彼女は、清楚な雰囲気と大胆なセクシャルな表現をなし得る女優。しかしその裸体もけっしていわゆるエロではない。あくまでも可憐なのだ。こういった作品にまさにはまる女優だ。

なかなかに堪能できた作品だった。が、何とチネチッタで発券しようとすると、エラーで出てこない。おかしい。事務所で調べてもらうと、なんとネットから予約を入れる際、明日を予約したのだ。これはパー、やれやれ、参りました。やっぱり若年性のADなのだろうか・・・汗

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