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Dr.Lukeの一言映画評

ファイル 1269-1.jpg貧血はかなり改善し、楽になってきたものの、体調がすぐれない日は軽いものを。というわけで、中山美穂と西島秀俊の『サヨナライツカ』。原作は中山美保の夫の辻仁成。共にフランス在住とか。スタッフや脚本が韓国人で、日本の情緒的なストーリーとは一味異なる。

若い頃の激しい愛に落ちるも、別れざるを得ない二人。そして年は流れて25年後、歳を重ねた彼らは再会を果たす。もはや燃える愛の表現はないが、しみじみとした二人の情感の交流。最後の悲しき別れ・・・。なかなか見ごたえのあるオトナが楽しめる作品。私的にも25歳で別れたあの人はどんな人生を送っているのだろうかと、やや自分にも重ねてしまった。

中山美穂が12年ぶりに映画主演を果たした濃密なラブストーリー。前途洋々な航空会社のエリート社員・豊と高級ホテルに居を構える謎の美女・沓子。そんな2人の愛の形を1975年とその25年後の2つの時間に分けて映し出していく。作品全体に横たわるのは「愛すること」という普遍的なテーマ。そして誰かを愛するために必要なものが、切なさや悲しさと共に明らかにされていく。主演の中山美穂は沓子を妖艶に演じ、観る者を虜に。徐々に深い悩みの中へと落ちていく豊を演じた西島秀俊の姿も印象的だ。監督は『私の頭の中の消しゴム』のイ・ジェハン。スケール感を出しつつもディテールにこだわった演出を見せ、情感を豊かに表現してみせた。

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