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奈良紀行

ファイル 132-1.jpg中学の修学旅行で訪れてから35年ぶりの奈良!?名古屋で乗り換えて、近鉄で1時間半。電車に乗っていると段々と山が深くなり、ついに室生口大野駅に着。いやあ、ド田舎、と言うよりは山の中。ここがSaltさんのベース基地!?彼の甘い声とボサノバとはミスマッチだが、彼の風貌とキャラクターとはピッタシ^^しかしここで実に温もりのある人間関係の場が設けられているとは、お・ど・ろ・きました。

彼は小学校の教員でありつつも、アーチストとして、音楽をつくり、自ら演奏し、歌い、絵を描き、さらに障害児教育に情熱を傾けている。加えて牧会も(→Salt氏のメッセージ集)。宿泊した施設は障害を持つ子供たちが社会との接点を得るための訓練の場であり、パンを焼いたり、ジャムやお茶を作ったりしている。石釜で焼いたリブステーキが絶品でした。その子たちもコンサートに参加していたが、ダウン症の女性がダンスをし出したり、指揮のフリをしたりで、途中脳性マヒの子の奇声なども入ったりしているがこれは愛嬌でして、実に盛り上がった。司会の女性も実は自閉症。かつては人前で話などできなかったのだ。そして曲の合間のMCで実にナチュラルにイエスの福音が語られる。

Salt&UribossaによるMOTTOSレーベル(注)から出たCDは、タイトルを"LIFE IS BEAUTIFUL"と称するが、詩はSaltさんによる。彼が障害児が成長して昨年できなかった事が今年はできるようになっている様を見て、その感動を詩につむいだもの。上から押し付ける援助や教育ではなく、同じ目線で生きることを共有すること。イエスもそのためにとなられた。むしろ障害児の、知的には遅れていても、私たちが失った純朴な心に触れる時、こちら側が癒されるのだ。「障害は不利益」と言う価値観は私たちの一方的な思い込みに過ぎない。これがSaltさんの作品の原点にある。

(注)MOTTOSとは、彼らの本名が池と瓜であることから、「モットー」にかけて命名された。

また彼は信仰についても辛口であるが、それは彼の外見だけしか見えない浅薄な人々の評。中身に触れるとその魅力が分かる。彼のポリシーによると、「いわゆるキリスト教界と御言葉で妥協する必要などないし、彼らとの交わりも御言葉に従ってふるいわけが起きるし、道はどんどん狭くなる。が、世に対しては広く暖かく開いていたい。障害児を含めた彼らとの交流の方が、病んだキリスト教界との接触よりもはるかに多くの善きものを共有できる」と。これにはまったく同意する次第。私も倒錯したこのギョウカイをひとおり見てきたし、そこで人生を送るつもりもない。倒錯した世界は倒錯した者に任せればよろしい。

昨年は福島の山小屋でそこの住民の皆さんを招いて強行軍のコンサートをして下さったが、実に評判がよかった。今回のこのコンサートもその空気のすべてを伝える事はできないが、ビデオクリップとサウンドの一部で十分に伝わると思う。そのうちKFCのチャペルでもぜひコンサートをお願いしたいと感じている次第。

余談:Salt氏との出会いは2000年のイスラエル・ツアーに参加してくださった時から。成田でバックパックを背負ったヒゲ面の彼にはじめて会った時の私の印象。「おいおい、胡散臭いオッサンが来たぞ・・・」。で、彼も私のサイトをはじめて見たとき、「ドクター・ルークだ?自分でドクターを名乗るカタカナのヤツはいかがわしい・・・」だったとか^^

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