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時代を見る目

ファイル 150-1.jpg道元の『正法眼蔵』に次のようにある:

またこの日本国は海外の遠方なり、人のこころ至愚なり。むかしよりいまだ聖人うまれず、生知うまれず、いはんや学道の実士まれなり。道心をしらざるともがらに、道心ををしふるときは、忠言の逆耳するによりて、自己をかへりみず、侘人をうらむ。おほよそ菩提心の行願には、菩提心の発未発、行道不行道を、世人にしられんことをおもはざるべし、しられざらんといとなむべし。いはんやみづから口称せんや。いまの人は実をもとむることまれなるによりて、身に行なく、こころにさとりなくとも、侘人のほむることありて、行解相応せりといはん人をもとむるがごとし。迷中又迷、すなはちこれなり。この邪念すみやかに抛捨すべし。学道のとき、見聞することかたきは、正法の心術なり。その心術は仏仏相伝しきたれるものなり。これを仏光明とも、仏心とも相伝するなり。

時は13世紀。天才道元の透徹した眼力は現代をも見据えている。ファイル 150-2.jpg

(写真は道元の開いた福井県永平寺)

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