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おふくろとノーベル賞

正月に帰省した際、おふくろが服用している高血圧の薬ディオバンについて調べたくなった。80を超えるおふくろは内臓系はまったくn.p.で、夜5時に夕食、5時半に就寝、朝は4時に起きて1時間ほどの散歩を日課としている。背筋もピンとしており、歩くのも早い。が、漬物や味噌汁が好物なためだろう、血圧が弱点なのだ。

で、ディオバンの成分がバルサルタン(Valsartan)と分かった。ウルトラマンのバルタン星人をイメージしてしまったが、何とこの薬、昨年のノーベル賞の対象となったクロスカップリングによって合成されたものだった。分子構造は確かに複雑。粘土細工ならば簡単だろうが、これを合成するのは困難であろうと素人目にも分かる。

Valsartan

作用機序は腎臓の水分再吸収作用を高め、血圧を上げる作用のあるアンジオテンシンⅡを抑制する。

AngiotensinII

というわけで、一時は180/100程度だったおふくろも、現在は130/70位で安定しているようだ。いわばノーベル賞にもらった命かもしれないと、思わぬ縁に思いを馳せている次第(オーバーだよ、の声も・・・)。

追記:みなさまもぜひ血圧の管理にはご注意をどうぞ。高血圧は沈黙の殺人者と言われています。ちなみに私は110/65程度。時に立ちくらみを覚えるわけで、かなり低い次第。

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