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CLIP:視神経の再生成功 阪大・東北大などマウス実験で

これもまたすごい報告です。

損傷すると回復が難しいとされる視神経を、神経細胞にある特定の酵素の働きを抑えて再生させることに大阪大や東北大のチームがマウスで成功し、1日付の欧州科学誌エンボジャーナル電子版に掲載された。

 大阪大の山下俊英教授は「脳や脊髄などの中枢神経の再生にも応用でき、視神経だけでなく、事故による脳挫傷や脊髄損傷などの治療薬の開発につながるかもしれない」としている。

 チームは、神経細胞で働く酵素「SHP」が神経の再生を妨げていることを発見。生後8週のマウスの視神経を損傷させた上で眼球にSHPの働きを抑える物質を投与したところ、2週間後には視神経が再生した。

 SHPは神経細胞内で再生を阻害するタンパク質とくっついて一緒になり、再生を促すタンパク質の働きを抑えていた。SHPの働きを抑えると再生を促すタンパク質の働きが1・4倍活発になることも判明した。

 神経の再生には、再生を妨げるタンパク質を働かなくするとともに、再生を促すタンパク質を活発にすることが必要で、SHPを阻害すれば両方が可能という。

元記事

傷ついた視神経の再生を抑制するメカニズムを解明

例によってチロシン脱燐酸酵素SHPの分子構造はこちら。生体高分子構造を見る度に、神は積み木やブロックが大好きな方ではないだろうかと感じるのだ。こういった構造が酵素としての働きをするわけで、これを決めるのがDNAのATCGの塩基配列。3つの配列(コドン)に対して原則ひとつのアミノ酸が対応し、コドンの配列でアミノ酸の配列が決定、そして最後に立体構造が形成されるのだ。この辺りのメカニズムはまさに神業!

確かに終わりの時代、ダニエル書にあるとおり、知識は増大する。

●CRYSTAL STRUCTURE OF THE CATALYTIC DOMAIN OF THE PROTEIN TYROSINE PHOSPHATASE SHP-1

※右クリックしてSurfaceをいろいろと選んでみてください。実際の形状が分かります。

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