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多剤耐性菌

先にNDM1(New Delhi Metallo-β-lactamase-1)の分子構造について書いた。これはほとんどの抗生物質にも耐性を生む酵素であって、これを持つ恐るべき菌が猛威を振るう危険性が高まっている。

多剤耐性遺伝子NDM1持つ菌、インドの水道水で発見

2011年4月14日10時45分

 ほとんどの抗生物質が効かない多剤耐性遺伝子NDM1を持つ菌が、インドの首都ニューデリーの水道水などから見つかった。病院などでは見つかっているが、外部の環境中で見つかったのは初めて。耐性遺伝子の拡散が心配される。英医学誌ランセット姉妹誌最新号が英豪チームの論文を掲載した。

 チームが昨年9~10月、ニューデリーの水道水や水たまりの水を調べたところ、それぞれ4%、30%の割合でNDM1を持つ菌が見つかった。その中にはコレラや赤痢を引き起こす菌も含まれ、抗生物質が全く効かないものもあった。

 ニューデリーでは上下水道の整備が不十分なうえ、モンスーンによる洪水で汚水が飲料水に混じる可能性が考えられる。チームのティム・ウォルシュ英カーディフ大教授は「人口密集地で飲用や料理などに使われる水から耐性菌が見つかった。極めて憂慮される結果だ」とコメントしている。

 米国などではインドで治療を受けた人らからNDM1が見つかっている。日本でも昨年9月に栃木県の大学病院で見つかるなどして問題になった。(ワシントン=勝田敏彦)

NDM1の構造をこちらに再掲しておく。

いわゆる感染症はエイズを発症するHIVや子宮頸がんのHPV、そして新型インフルエンザウイルスなどがクローズアップされているが、実は細菌もまだまだ要注意なのだ。特にこのような多剤耐性菌は医学の進歩とイタチゴッコだ。かくして結核などの感染症は今後も十分に蔓延する可能性が高い。

大地震があり、方々に疫病ききんが起こり、恐ろしいことや天からのすさまじい前兆が現われます。-Luke 21:11

 

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