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諏訪湖の御神渡り

ファイル 205-1.jpg諏訪湖が全面結氷し、御神渡り(おみわたり)ができたと、日経紙でも記事になっていた。この物理的メカニズムはさておいて、御神渡りにはなかなかのロマンスがあるのだ。ちょっと紹介しておこう:

冬期、気温が低下するなか、諏訪湖の湖面が全面結氷し、寒気が数日続くことで氷の厚さが増してゆきます。さらに昼夜の温度差で氷の膨張・収縮がくり返されると、南の岸から北の岸へかけて轟音とともに氷が裂けて、高さ30cmから1m80cmくらいの氷の山脈ができます。これを「御神渡り」と呼び、伝説では諏訪神社上社の男神・建御名方命(タケミナカタノミコト)が下社の女神・八坂刀売命(ヤサカトメノミコト)のもとへ通った道筋といわれています。ファイル 205-2.jpg

この伝説にもとづいて、御神渡りの筋の両端については、諏訪湖の南側(上社側)を建御名方命が下り立ったところということで、「下座(くだりまし。“下御”とも)」と呼び、北側(下社側)を上がったところ、「上座(あがりまし。“上御”とも)」と古くから呼んでいます。御神渡りは『諏訪の七不思議』の一つとしても数えられています。また、氷上に人が出ることが許されるのは、神様の通った後というタブーもありました。

イイではないですか、男神が女神の元へと渡った跡。私的にはこういった神話が生まれる心って実に楽しいのだ。昔は諏訪湖上でスケートもできましたし、戦争中は戦車が氷上で演習したこともあるようです。

私は東京生まれでして、5歳の時に諏訪に移り、19歳で東京に戻りました。小中高の間はひたすら山に囲まれた盆地に閉じ込められた閉塞感を覚えつつ、いつかは東京に戻るぞと思いつめつつ暮らしていたものです。が、今この歳になりますと、田舎があることはなかなかよろしいものだと思うようにもなるから不思議です。室生犀星も言っております、「ふるさとは遠きにありて思ふもの。よしや異土のかたひとなるとてもかへるところにあるまじや・・・」。こうして八ヶ岳に山小屋を作る日を夢見ておるわけです。

諏訪市博物館

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