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三島由紀夫の憂い

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私はこれからの日本に大して希望をつなぐことができない。このまま行つたら「日本」はなくなつてしまふのではないかといふ感を日ましに深くする。日本はなくなつて、その代わりに、無機的な、からつぽな、ニュートラルな、中間色の、富裕な、抜け目がない、或る経済的大国が極東の一角に残るのであらう。それでもいいと思つてゐる人たちと私は口をきく気にもなれなくなつてゐるのである。

まことにあの日から41年、わがニッポンはこのことばどおりに成り果てている。三島由紀夫から鳩山由紀夫に変わった時、この国の終焉が見えてきた。私的に言えば、<政治的去勢>、<軍事的去勢>、<経済的去勢>、そして<倫理的去勢>を受けた国家。否、すでに国家ではない。そこにあるのは魂の抜け殻としてのシステムだけだ。原発はすでにチェルノブイリの放射能の三分の一を放出して、依然として垂れ流し続けている。まことに長血を患う女のごとし。彼女は信仰を持って主イエスの衣の房に手を伸ばしたが、この国は・・・以下略。

追記:・・・と、書いていたら次のような記事がRSSに。

この人はフジテレビの韓流化に抗議して事務所も解雇されたようだ。ちょっと前には山本太郎が原発問題で発言して仕事を干された。これらの二人も三島的スピリットを抱いているのかもだが、すでにこのニッポンにあっては空回りするリスクが高い。もし大義の死を考えるならば、ニッポンなどのつまらない対象ではなく、やはり神の公義のためだろう。この国は確実に オ ワ ッ テ イ ル のだ。

追記の追記:元わが同僚の副島隆彦氏の師である小室直樹氏は、80年台にソ連の崩壊を予言していたが、彼の本に『三島由紀夫が復活する』なるものがあった。これもかなり予言的な作品である。

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