Entry

トップ > 映画 > Dr.Lukeの一言映画評

Dr.Lukeの一言映画評

ファイル 2395-1.jpg

プールとサウナは木曜日ゆえ、午前はDVDを観てマッタリと。午後は映画。『シャンハイ』-渡辺謙と菊池凜子がかなりイイ。監督はスウェーデン出身。コン・リーがやや往年の山口百恵を彷彿として、切ないスパイ役を迫力ある演技でよかった。

太平洋戦争開戦前夜の上海を舞台に、米国、日本、中国など各国の人々が己の信念をかけて生き抜こうとする物語を、スウェーデン出身のミカエル・ハフストローム監督が描いた本作。舞台となる1941年の上海は、漢字の看板の下を様々な国の人々が行き交い、ネオンが妖しく輝く、まさに“魔都”と呼ぶのにふさわしい都市だ。その魔都の中で、日本軍人や、米国人スパイ、中国人商人、反日レジスタンスの中国人などが駆け引きを繰り広げている。出演俳優も、米国人のジョン・キューザック、中国人のコン・リー、香港出身のチョウ・ユンファ、日本人の渡辺謙、菊地凛子と幅広い。当時の上海を忠実に再現した大規模なセットや美術、衣装なども見応えがある。

パールハーバーに至る動きを察知したアメリカのスパイが殺されるわけだが、その物語が切ない。その殺人の真実を追うべく、新聞記者に扮した主人公のスパイが、シャンハイの裏社会の人間関係の中で揉まれ、またまた切ない恋に落ちるのだ。

しかし当時は日本人も背骨、あるいは覇気があった。今や、この国は滅びの瀬戸際にあるが、5人の候補を立てた民主党、これで内部分裂が確実となる。要するに、すでに当事者能力を喪失しているのだ。最近では3.11地震や原発事故を含めて、陰謀論が盛んとなり、すべてはニッポン解体のための工作とされているわけだが、いずれにしろアメリカや中国による対日政策は見事に奏功している。何度も繰り返すが、政治的去勢、軍事的去勢、経済的去勢、そして倫理的去勢を受け、すでに主権を放棄してしまっている以上、着々と蝕まれているのだ。あとは時間の問題。マジで沖縄はアブナイ。北海道も、かもだ。

日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。

いわゆる平和憲法の前文の一部だが、この下線部いかがだろう。これが憲法の、そして九条の前提なのだ。「平和を愛する諸国民の公正と信義」などは幻想、よってそれに「信頼して」続く憲法条文はその幻想の上に立てられているに過ぎない。すなわちすべてはフェイク。世界は食うか食われるか、だ。これが聖書が啓示する人間性。今のままでは沖縄や北海道にかの国やあの国の軍隊が入ってきても、相手が火蓋を切らない限り、手が出せない。それは自衛隊員自身の葛藤であり、自らのアイデンティティを喪失した自殺者数も多いのだ。

私的には、石原氏と同じだ。つまり九条は前文の前提が崩れている以上、即刻改正し、自衛軍を設け、核武装すること。現に原発も核兵器転化を考えて設立したのだ、と京大の小出氏も証言している。自衛隊にルートを持つ私の友人も、原発は数週間で原爆へと転化できるとしている。佐藤栄作氏も密約を結んでいたことはすでに明らかだが、大っぴらにできないのは、すべてこの幻想の上に立てられた憲法の故だ。もしこの幻想の上に立ち続けるのであれば、ニッポンは数年のうちに崩壊し、「シャンハイ」のごとく殖民地あるいは分割統治下に置かれることであろう。4つの面で去勢された国家の命運はすでに尽きているかもしれないが・・・。

なお、そろそろ9月、地震はやはり注意すべきだと強く感じている。私の幻はいぜんとして消えていない。図はM6.0以上の地震の数の経年変化。

ファイル 2395-2.jpg

Access: /Yesterday: /Today: