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Dr.Lukeの一言映画評

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午前はプールとサウナ、午後は映画『サンクタム 3D』の巡航モード。

南太平洋に浮かぶ島に存在する、熱帯雨林の奥地に広がる洞窟。地球上で最も大きく、最も美しく、最も近づきがたいその場所は、人が足を踏み入れてはいけない聖域(サンクタム)の様相を呈していた。そんな洞窟の謎を解き明かそうと、熟練ダイバーのフランクは息子のジョシュと、探検の資金面でサポートしているカールを含むメンバーで洞窟内を調査していた。しかし、彼らが世紀の大発見を成し遂げる前に、地上では巨大なサイクロンが襲来。すさまじい鉄砲水によって唯一の出口をふさがれてしまった探検隊は、洞窟が海につながっている可能性を信じ、暗く冷たい穴の中を奥へ奥へ進むことを余儀なくされる。それは、冒険と呼ぶにはあまりにも過酷なサバイバルの道のりだった……。

一言、こわい。3Dも、こういった動きがないがリアリティのある画面ではかえって迫力がすごい。閉所恐怖症とパニック障害を持っている人は禁忌。実際に身体が硬直し、息が詰まる。サンクタムとは聖所だが、その意味は観れば分かる。下のヨブ記ともつながるが、人間の無限小性を否応なく覚えさせる作品。また生と死をコントールする権利が人間にあるのか、主権者はどなたかをおのずと感じさせる。宇宙空間に放り出される感覚と共通する感覚とも言えるか。異次元体験をしたい人はぜひどうぞ。この手の作品は自分で観ること。

追記:非情かつ過酷にして頑迷な父とナイーブな息子の葛藤も見ごたえがあった。しかしその非情さと過酷さの背後にある真の父の愛を知るわけだが、これはある意味、私たちの経験でもある。神の愛は綿菓子のような甘ったるいものではない。現在の砂糖まぶしのニッポンキリスト教徒にはぜひ観てもらいたいものだ。

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