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携挙の時期の根拠をめぐって

私はいわゆる前艱難(最後の7年)携挙説は採っていない。それはあまりにも安易であり、神の取り扱いはそのような軽いものではない。これについてはこちらを

私と同じ立場を採る論考はこちらを。

さて、ここで面白い論点がいくつか浮かび上がる。

ひとつは2テサロニケ2:3「だれにも、どのようにも、だまされないようにしなさい。なぜなら、まず背教が起こり、不法の人、すなわち滅びの子が現われなければ、主の日は来ないからです。」(2Thess 2:3)の「背教」と訳された単語"apostasia"の意味である。この単語はもう一箇所の使徒行伝21:21では「モーセにそむくように教えているということなのです」とあるように「そむき」の意味に訳されている。ところが前艱難期説を採る人々は上の記事でも触れているが、"departure"の意味で解釈しているのだ。つまり「地上を去る」の意味となる。不法の人、ダニエルの荒らす憎むべき者が出現する(=7年の開始時点)の前に、departure=raptureがあると言うわけだ。詳細はこちらを参照。

もうひとつの論点は、プレミレとポストミレの解釈のポイント。すなわち黙示録の書かれた時期だ。再建主義者のようないわゆるプレテリストは、黙示録は当時の人々に対する奨励であり、ゆえに19章までは歴史的に終わっているとする*1。つまり現経綸がすでに千年期というわけ。マタイ24章などの諸現象や艱難などは紀元70年のローマによるエルサレムの破壊のことであり*2、根拠は黙示録の成立時期がそれ以前(60年代)だから、というわけだ。対して私たちはフューチャリストであり、黙示録の4章以降は現在歴史の中の成就しつつあるとする。根拠は黙示録は90年代に成立していること、とする。私たちはすでに論じる時代ではなく、身をもって実証する時代に入っていると思うが、最近面白いディスカッションがなされたので、紹介する。

Dr. Mark Hitchcock and Mr. Hank Hanegraaff debate the date of the Book of Revelation. The debate took place on December 10, 2007 at the annual Pre-Trib Study Group meeting in Dallas, TX. Dr. Hichcock will argue for the AD 95 date. Mr. Hanegraaff will argue for the AD 65 date. While the AD 95 date does not impact the futurist interpretive approach of Dr. Hitchcock's view, Mr. Hanegraaff preterist view requires an AD 65 date or his view of Revelation is rendered impossible.

The debate last for 3 hours and 20 minutes. A special thanks to John Ankerberg and his film crew for filming the event.

*1:これはパーシャル・プレテリストの立場。フル・プレテリストは、さらに現在はすでに新天新地であるとする。
*2:したがって、現在起きている異常な自然現象や社会事象は、イルミナティなどの陰謀企画者たちによる終末を演出する"シカケ"だとせざるを得なくなる。

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