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Dr.Lukeの一言映画評

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まさに現代を描いた作品、『TIMEタイム』。

通貨の代わりに“時間”が売買される世界に青年が挑戦!

近未来か別の世界か。そこではお金の代わりに“時間”が通貨として売買される世界だった。25歳になった時から体内時計が余命の時間を刻んでいく。スラムゾーンに住む青年ウィルは余命あと23時間だが、偶然、ひとりの男から100年分の時間をもらい、富裕ゾーンに入りこむ。そこでは、半永遠の命を持ち贅沢な生活を送る人々がいた。ウィルはそこで富豪の娘シルビアと知り合う。しかし、時間の秩序を守る監視局員たちがウィルを追跡していた。

帰って温泉に浸かりつつ、つらつらと考えた。なるほど実に面白い設定だ。寿命が時間に換算される。その時間が通貨として流通する。この世界では時間を溜め込んだ者たちが富裕層とされ、貧困層はまさに自分の生命を保つために、時間を削って日々を生きる。それはすなわち生命を削ることになるのだ。なんというジレンマ。すでにその二分化社会が固定化している。つまり生まれで人生、否、寿命が決まるのだ。ところが富裕層の千年も時間を蓄えた者たちは人生に倦み自殺する。あるいは10年分をプレゼントされた貧困層の者は1年分の酒を飲んで死ぬ。また仕事に入れ込み、自分の生きる意義を保とうとする警官は、時間のチャージを忘れて職務執行中に死ぬ。いや、まことに現代の光景そのものではある*1

しかし実際、貨幣経済の現在においても本質は同じだ。自分の生命を保つために、時間と労力を投資して貨幣*2に変える。その貨幣を生命を保つための食料などに変えるのだ。結局削られているのは生命そのものだ。かくして生命を維持するために生命を投資する(ゲインはない。つまり消耗だけ)というジレンマが今の社会経済システムである。これは旧創造を神が呪われたことによる(Gen 3:17)。まことに主が言われるとおりだ:

そして人々に言われた。「どんな貪欲にも注意して、よく警戒しなさい。なぜなら、いくら豊かな人でも、その人のいのちは財産にあるのではないからです。」
それから人々にたとえを話された。「ある金持ちの畑が豊作であった。
そこで彼は、心の中でこう言いながら考えた。『どうしよう。作物をたくわえておく場所がない。』
そして言った。『こうしよう。あの倉を取りこわして、もっと大きいのを建て、穀物や財産はみなそこにしまっておこう。
そして、自分のたましいにこう言おう。「たましいよ。これから先何年分もいっぱい物がためられた。さあ、安心して、食べて、飲んで、楽しめ。」』
しかし神は彼に言われた。『愚か者。おまえのたましいは、今夜おまえから取り去られる。そうしたら、おまえが用意した物は、いったいだれのものになるのか。』
自分のためにたくわえても、神の前に富まない者はこのとおりです。」-Luke 12:15-21

クリスチャンは貨幣制度下にある資本主義経済によって生きるのではない。まことにパンだけによらず、神の言葉によって、とあるとおりだ。かくして真の富裕層とは誰なのか?お薦めできる作品だ。

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ちなみに今週の"TIME"ではなく、『ニューズウィーク』の特集が面白い。Facebookから情報が売られている!一部の陰謀系ではiPhoneやgoogle、さらにFBなどから情報が抜かれていることが囁かれていた。これがメインストリームでも報道される時代となったわけだ。しかしある人の指摘するところは、これがさらなる情報戦略である可能性があるわけだ。ある意味、警察監視国家の既成事実の宣言でもある。いずれにしろ、FBなどにおいては自らの「情報」を売って、刹那的な何かを買っていると言えるのだ。加えて、クリスチャンの迫害の時代となっている報告も面白い。前にも書いたがアメリカには強制収容所と膨大な棺桶がすでに用意されている。誰のために?

*1:今、DVDで『ハゲタカ』を観ているが、そのコピーは「人生にはふたつの悲劇がある、ひとつはカネのない悲劇、ひとつは金のある悲劇」だ。
*2:貨幣制度のトリックについてはすでに紹介した"THRIVE"をご覧いただきたい。一万円札の実質原価は22.2円なのだ。すでに金の裏付けもない貨幣制度そのものがバブルであり、さらに加えて信用創造によるバブルが作られる。そのバブル部分を埋めているのが時間と生命を売る労働者の労働価値なのだ。かくしてこの世の君サタンは神の最高傑作である人間からあらゆるものを搾取する。彼はまことに「盗み、殺し、滅ぼす者」であるが、あの方はいのちを無制限にチャージしてくださるのだ(John 10:10)。

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