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中国、家の教会への迫害が強まる

ウォッチマン・ニーは52歳で共産党により捕縛され(容疑は米国のスパイ)、強制労働所送りとされた。人生において自分のまいた種が収穫されるべき年代を、その結実を見ることなく、幽閉された。彼は「たくあんと味噌汁から裸一貫伝道して、苦節〇十年、私は私の教会をここまでにしてきました、すべての栄光をかみっさまにお返しいたします~」といった臭い証をすることから守られたのだ。神は多くの貴重な宝を彼に委ねたからこそ、彼を人生の円熟期においてあえて閉じ込められたのだ。

その後15年を経て、棄教すれば釈放するとの取引きを迫られたが、それを拒絶した彼はさらに過酷に拘束され、72歳で主に召された。心臓の病気が深刻になり、病院に移されるために山道をトラクターに乗せられて運ばれる途中だった。彼は震える字で書かれた一枚の書面を残していた:

キリストは神の御子であられる。彼は人々の罪を贖うため死なれた。そして3日後によみがえられた。これは、宇宙における最も大切な事実である。私は、キリストを信じながら、召されて行く。

彼の人生の結束の仕方は、自分の業の完成を見て満足し、自分が評価され、高められることなく、割られた壺から注ぎ出されたナルドの香油のように、主のために無駄に注ぎ出されることだった。ユダのような人物の目からはそれは完全に無意味な人生。彼はそのとおりに生きて死んだのだ。不肖、怠惰をこよなく愛する私なども、彼の放ったこの香りによってかろうじて地上の幕屋の中で生きておれるのだ。

かくしてその彼から放たれた香油の香りは、中国において1億以上と言われる兄弟姉妹を生み出している(彼の名は忘れ去られていることだろう)。中国政府は未公認の地下教会である彼らを、政府お墨付きの三自愛教会に取り込むことを目論み、反対する者たちをこれまで以上に迫害し、殲滅を計っている。しかし、教団や宗教法人などは滅ぼされても、エクレシアは決して滅ぼされない。むしろ迫害が強まれば強まるほど、その輝きを増し加えるのだから。

そこで、わたしもあなたに言う。あなたはペテロである。そして、わたしはこの岩の上にわたしの教会を建てよう*1。黄泉の力もそれに打ち勝つことはない。-Matt 16:18

*1:「この岩(petra;女性形)」とはカトリックが言うようなペテロ個人のことではない。その前節の彼の「あなたこそ神の子キリストです」という告白である。さらに教会とはEkklesia、人間が組織した教団や法人などでは毛頭ない。それらは今後互いに食い合って自滅の道を辿ることだろう。いわゆる「キリスト教会(界)」が滅びることは大いに歓迎すべきことなのだ。

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