Entry

トップ > 社会 > 文藝春秋六月号から

文藝春秋六月号から

ルポ-世界同時貧困」の内容はすさまじいものがある。格差社会の元凶は新自由主義であるが、あの佐藤優氏の分析によると「今日の新自由主義の最大の欠点は、政治的自由主義を排除した結果、競争至上主義がまさに暴走し、自由主義が本来持つ寛容さにまで経済的合理主義が踏み込んでしまったことにある」。けだしそのとおり。「本来自由主義は政治的側面と経済的側面が車の両輪としてきたが、新自由主義が継承したのは経済的側面、つまり競争至上主義だけだったのだ」。かくして何らのセーフティネット(政治的対策)もないまま、食うか食われるか、これが今日の様である。

アメリカでは、医師が訴訟を乱発され、それに備えるための医療訴訟裁判保険に加入することが必須である。ある医師の例。年俸2,000万円を稼ぐが、何と保険料が1,800万円。かくて彼はプライドで仕事をしていたが、ある日キレた。重症の鬱病。医師が鬱病になると、他の職業の患者よりも自殺率が高いのだ。彼は今、食糧配給受給者の一人になってしまっている。

中国では、年収1,000万超層が10%いるようだ。つまり1億3千万人!一方で食費五元。そもそも毎月の「低保」と呼ばれる生活保護費が330元(4,950円)。こういった低収入の人々が大半だ。

わがニッポン。年収200万以下の人が2000年には825万人だったのが、2006年には1,023万人。年収300万以下では約1,800万人!労働者の3.5人に一人の率だそうだ。前にも紹介したが、すでに(もっともリッチなはずの)東京都でも年収500万未満の世帯数が過半数を超えている。さらに後期高齢者医療制度。現代の姥捨て山政策だ。リチャードさんが自らの人生設計と共に、政治家に怒りを発しておられるが、理解できる(→リチャードの日記)。すでに国の借金は849兆。地方を入れると1,000兆。

ファイル 356-1.jpgで、本日の一冊。『日本国増税倒産-格差是正が招くデッド・エンド』(光文社)。今のニッポンキリスト教界はこの縮小版。「花見酒の経済」の先は見えている・・・。最近の私のメッセージのテーマでもあるが、世も教界もバビロン化の刈り取りをするのだ。そして彼らが求めるものはまさに圧倒的なリーダーであり、"メシア"である。ある意味お膳立てが整いつつあることを感じている。

【注】佐藤氏は自由主義の政治的側面のルーツはカトリックvsプロテスタントの争いにあるとしているが、新自由主義は再建主義によることは山谷少佐が分析されたとおり。再建主義の富井さんの主張を読まれるとその社会ダーウィニズムが理解できる。だが私も少なからず同意していることはここでも何度も書いているとおりだ。私はみんなでお手手つないでゴールインは真っ平なのだ。世は「籠に乗る人、担ぐ人、そのまた草鞋を作る人」だから。ちなみにニッポンキリスト教では「ベンツに乗る人(牧師)、運転する人(執事)、そのまた献金に励む人(信徒)」の構図だが・・・。

Comment

リチャード

世の中の状況を見る度に心乱されますね。
アサフのように、神の聖所に座して平安の内に栄光を待ち望みたいと思います。
http://www.tuins.ac.jp/~takao/cgi-bin/biblesearch.cgi?key=&word=ps:73:15&dspnum=29&ver=&pos=

Access: /Yesterday: /Today: