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無為無心

朝のジョッギング。緑がますます濃くなり、簾のようにれている柳の枝も、池を覆い尽くす蓮の葉も、何かを意図しているわけではない。人も少なく静かな中で、カエルの声が響くが、人のために鳴くわけでもなく、その鳴き声を理解することはできない。きらめくさざ波が美しく輝く緑の池に向かって立つと、晩春の鶯の鳴き声が聞こえるが、彼らも自然の神秘を論じるために鳴いているのではないのだ。(こうして自然はすべて意図や計らいなく、無心にただいのちのままに流れていく。)

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(七絶・平起式・下平声十二侵韻)

玉簾 碧藕(へきぐう) 又 無心
人 靜かにして 蛙の聲 音を解せず
瀲灔(れんさん)は離離として 綠水に臨む
流鶯は弁ぜず 幽尋を得るを

(C)唐沢治

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