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カエサル、かく語りき

このところローマに没頭している。今回は塩野七生氏のフィルターを通したローマを見ているが、三国志に勝るとも劣らぬダイナミクスと面白さがある。これはかなりのめり込みそうだ。中でも、やはり、共和制から帝政へとローマを導いたカエサル(Gaius Julius Caesar)の魅力が秀でている。塩野氏は彼なら愛人になってもよいと言われる程に、そのオトコ性に惚れているようだ。

カエサルはどう思うか知らん?笑
ちなみに彼は薄毛だったそうだが、実に女性にモテた。いや、確かに男も惚れるだろう。ここでも彼の言葉は何度も引いているが、改めて-

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・何かを生み出す行動でなければ、行動とは言えない。

・学習より創造である。創造こそ生の本質なのだ。

・始めたときは、それがどれほど善意から発したことであったとしても、時が経てば、そうではなくなる。

・人間とは噂の奴隷であり、しかもそれを、自分で望ましいと思う色をつけた形で信じてしまう。

・文章は、用いる言葉の選択で決まる。

・人は現実のすべてが見えるわけではなく、多くの人は見たいと思う現実しか見ない。

・人は、ほとんどいつも、望んでいることを信じようとする。

・競争が激しい場所で2位になるよりも、競争が激しくない場所で1位になるほうが良い。

・予測されるけれども目に見えない危険は、人の心を最もかき乱す。

・概して人は、見えることについて悩むよりも、見えないことについて多く悩むものだ。

・自分は自身の考えに忠実に生きたいと思う。それは、他人も同様だろう。だから、他人の生き方も認める。そうして、敵が私に再び刃を向けることになったとしても、それは仕方ない。そのように生きることが私の願いだから。

彼のとった政治の姿勢は寛容(クレメンシア)。敵を征服して自分にひれ伏させるのではなく、ローマ市民権を率先して与え、自立した存在として世界国家ローマに組み込んでしまう。自ら征服したガリア人からも元老院議員の出現を許したほど。ローマの城壁も廃止してしまうほど。終身独裁官になると自分の護衛団を解散。街の中をほとんど丸腰で歩いた。かくしてカエサルの意思に反して、彼が王になることを意図していると邪推したブルータス以下14名の元元老院議員により刺殺される。かくしてルビコン川を国賊の汚名を受けることを覚悟して渡る時や暗殺時のセリフ、またクレオパトラとのロマンスなどはよく知られているとおりだ。彼のこれらの言葉を読むと、彼は人間を熟知していた。むしろ知り過ぎていたので裏切られたのだ。彼は自分についてこう告白している:

わたしは王ではない。カエサルである。

しかし自分の欲で目が曇った者たちには、彼が脅威と映ったのだ。あたかも自分たちを頭から飲み込む大蛇のごときに。かくして妹の孫のオクタビアヌスが後継者として、彼は巧妙かつ合法的に皇帝の立場と権力を確立する。この手腕も見事であり、ヒトラーも彼から学んだのではないかと思われる。

この栄光のローマは、しかしながら、神との関係ではあまりよろしくない役割と評価を得ている。

第四の国は鉄のように強い。鉄はすべてを打ち砕きますが、あらゆるものを破壊する鉄のように、この国は破壊を重ねます。足と足指は一部が陶工の用いる陶土、一部が鉄であるのを御覧になりましたが、そのようにこの国は分裂しています。鉄が柔らかい陶土と混じっているのを御覧になったように、この国には鉄の強さもあります。足指は一部が鉄、一部が陶土です。すなわち、この国には強い部分もあれば、もろい部分もあるのです。また、鉄が柔らかい陶土と混じり合っているのを御覧になったように、人々は婚姻によって混じり合います。しかし、鉄が陶土と溶け合うことがないように、ひとつになることはありません。

この王たちの時代に、天の神は一つの国を興されます。この国は永遠に滅びることなく、その主権は他の民の手に渡ることなく、すべての国を打ち滅ぼし、永遠に続きます。山から人手によらず切り出された石が、鉄、青銅、陶土、銀、金を打つのを御覧になりましたが、それによって、偉大な神は引き続き起こることを王様にお知らせになったのです。この夢は確かであり、解釈もまちがいございません。・・・

第四の獣は地上に興る第四の国/これはすべての国に異なり/全地を食らい尽くし、踏みにじり、打ち砕く。十の角はこの国に立つ十人の王/そのあとにもう一人の王が立つ。彼は十人の王と異なり、三人の王を倒す。彼はいと高き方に敵対して語り/いと高き方の聖者らを悩ます。彼は時と法を変えようとたくらむ。聖者らは彼の手に渡され/一時期、二時期、半時期がたつ。やがて裁きの座が開かれ/彼はその権威を奪われ/滅ぼされ、絶やされて終わる。天下の全王国の王権、権威、支配の力は/いと高き方の聖なる民に与えられ/その国はとこしえに続き/支配者はすべて、彼らに仕え、彼らに従う。-Dan 2:40-45;7:23-27

神が興される国と人手によらず切り出された石。それは永遠の国。もちろん・・・。その前に、私たちはこのローマ帝国の再興を目撃しようとしているのだ。荒らす憎むべき者"666"と共に。

Comment

電気屋

私もこの冬見たいと思っている『ROME[ローマ]』はアメリカ合衆国のHBOとイギリスのBBCが共同制作した海外ドラマ
総制作費は200億円以上、制作期間は企画から撮影終了まで約8年と聞きますから期待できるかな、、と
ローマ軍第13軍団の百人隊長ヴォレヌスとその部下の軍団兵プッロを中心に、内乱期のローマ共和国が中心ですが。
特別階級だらけのストーリーではなく普通に生活するローマの日常がイイとは『テルマエ・ロマエ』を書いたヤマザキマリさん談です。

このマンガのヒットはイタリアの新聞で「ローマ帝国ついに日本の漫画界を征服」と報道されたそうで
「イタリア人の夫が日本の家風呂を見て笑う、古代ローマ人なら日本の風呂の良さをわかってくれる」が書くキッカケらしいです。
この冬たのしみですねー それにしてもカエサルすごい

  • 2013/12/10 08:20
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Luke

テルマエ・ロマエは面白かったです。で、買った本が『図解古代ローマ人の日常生活』。
古今東西を問わず、人の生き様が社会と歴史を作るわけで。その映画は私もシーズン1は観てます。
三国志、ローマ史と来て、やはり日本書紀、古事記にもチャレンジしたいですね。
あの日ユ同祖論はさておいても・・・・。

2,3月当りにオフ会しませんか。六本木ディスコでとはあえて申しませんが^^、どこか落ち着ける処で美味い酒でも飲みながら。ヨロシク!

  • 2013/12/10 11:36
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