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世事都訛-一石(再掲)

なんとも寒々した朝。雨だ。雨の日は仕事では嫌だが、休みとなるとかえって心がしっとりと落ち着く。詩情も湧いてくるものだ。猪瀬氏がついに辞職だそうだが、彼の新著『勝ち抜く力』が何か虚しい。高きに登ることはなんと危うさと裏腹なものか。世の中、誠に全ては訛たりだ。所詮この世は浮世狂言。多分大石内蔵助は山科に篭もり、伏見鐘木町で遊んだ時にそれを知り尽くしたのだろう。だから、彼には未練はまったくなかった。

 世事 都て訛たり
 當年 風貌 細腰(さいよう)多し
 浮客 時を痛む 髪己(すで)に皤(しろ)し
 何(なん)ぞ人生に耐えん 胡蝶の夢
 今に到り識(し)る可(べ)し 事都(すべ)て訛(か)なるを

さて、本日は東京MTのBillboard LIVEにて過ごす予定。小生、会員なので、フロワー席で楽しませてもらう。

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往年のStylistics。彼らは年齢を重ねて実に円熟した感がある。2013年も着々と終わりつつある。

追記:新作を一首-

 高樓に 金鏡滿ち
 何(いずこ)来(よ)り 忽ち風を生ず
 麈面に 江月揺るぎ
 功名 一切空(むなしく)ならん

なお、菅原道長の一首を意識していることはお分かりと思う。

 この世をば わが世とぞ思ふ 望月の 欠けたることも なしと思へば

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