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STAP細胞問題の本質

小保方氏のD論の序論がNIHのコピペだったとか、引用文献も誰かの論文のコピペだったとか、画像が使い回しされているとか・・・。はて、何が一番の問題なの?と素人としてはなんだか取り残されている感覚がする。

で、一応小生も業界の末端にいる者としてがんばってフォローしていたが、やはり最も本質的な問題は先に紹介したが、TCRより誘導されたとするSTAP細胞に遺伝子再編成がないと言う点に絞られる。山梨大の若山教授も理研の否定発言をもって疑惑が確信へと至ったようだ。ちなみに同氏は『文藝春秋四月号』においては、声明を出す前のインタビューで小保方氏を擁護している。しかも理研では小保方氏の指導により自分自身もSTAP細胞を作ったと証言している。

Nature論文では若山教授は小保方氏から貰い受けた万能細胞をマーカーをつけてマウスの分裂卵細胞に混入させ、各臓器に分化したことを証明したのだ。この実験については全く問題はないとしているのだが、すると小保方氏から貰い受けたSTAP細胞とは一体何だったのか?これに関して先に紹介した理研内部者のkaho氏がBioinformaticsによってDNAを解析したところ、ES細胞との類似性が高いことを指摘している。その理由はあえて追求しないとも。

また,ES細胞とSTAP細胞はCNVに差がなく,ほぼ同一であることが示されました.この近さは慎重な実験をするために,STAPを抽出したマウスからES細胞を作成したとしても説明がつかないように思われます.

ファイル 4168-1.jpg

次に小保方氏のNature論文で使用されたテラトーマ画像がD論の画像と似ていることの問題点はこうだ。テラトーマ*1の画像がD論では骨髄由来とされ、NatureではSTAP由来とされているのだ。

なお、この点についてもっとも分かり易く解説をしている記事を参照されたい:

ファイル 4168-2.jpg

それにしても小保方氏の論文の体裁は学生たちの普段のレポートのレベルだ*2。最近ではWikiなどをまんまコピペする連中がいるのだ。まあ、文体とですぐ分かるのだが。そこで私的にはあえて手書きで提出させている次第。仮に何かを写しても、手書きならば勉強になるだろうと思っているわけ。そこ行くと、昔の写本はすごい。特にトーラーなどはまことに強迫性格傾向の強いユダヤ人ならではである。中国の漢詩や日本の源氏物語などもほぼ写本で広まったのだ。

そう言えば、はるか昔、試験前になるとデキの良い女子学生のノートのコピーが回ってきて、ひたすら写し取ったコピーしまくったものだ。が、コピーすると安心してちっとも読まなかったのだが・・・。

参考:慶応の「グローバルCOE医学-幹細胞医学の拠点-」なるサイトを読んでいたら、面白い記事を発見した。何と乳酸菌で細胞の初期化が起きるとか!?これマジ???

ファイル 4168-3.jpg

  • 乳酸菌を取り込むと、細胞も若返る?! ~"人間、またしても発酵食品のお世話になる"の巻~
  • *1:腫瘍細胞で、三種類の胚葉の成分全てを含む。ある細胞からテラトーマの発生が見られるならば、三種類の胚葉全て-全身の種々の細胞-に分化する能力(=多能性)を有する証拠となる。
    *2:早稲田の体質がちょっと見えてしまうかもなぁ~。私は一時慶応ボーイだったこともあるのだが、極私的には早稲田は「稲刈り大学」と思っていたのだ。特に早稲田はしっかりした女子学生がしばしば崩れることがあるから要注意だ。

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