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俳体雪香亭雑詠-元好問

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暖日 晴雲 錦樹新たなり
風吹き 雨打ち 旋(たちま)ち塵と成らん
宮園深く閉ざして人の到る無く
自在の流鶯 暮春に哭す

注:雪香亭=金の都の宮殿にあった亭

春は暖かく、晴れた空に雲が悠々と浮かび、新しい花や葉をつけた木々も美しい。が、表向きの美しさ、輝きとは裏腹に何か憂いを覚えさせる時期。美しい雪香亭も風雨を受けて塵になるように、人の生もいずれ尽き果て塵に帰る。自由に春を謳歌して飛び回る鶯とて、亡き人を思いつつ、暮春に慟哭しているのだ。

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