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魚玄機を想ひて・・・

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ちょっと漢詩づいていて恐縮だが、前にも紹介した二篇を再掲。魚玄機の人生を思うとき、運命に翻弄される一人の女の健気さと共に、ある種の狂気、そう、阿部定的情念を感知する。そこに熟男(うれだん)である私的には、限りない魅力を覚えるのだ。その彼女を思いつつ詠んだ詩を二篇ほど。

   春恨の紅粧 一石
   寒威(たけ)く 鶯は默し 疾風吹く
   枝は凍るも 櫻花 撩亂(りょうらん)して披(ひら)く
   春恨の紅粧 香 寂寂たり
   雙飛の黄鳥 佳期少(まれ)なり

春というのに、まだ寒く、鶯も黙し、冷たい風が吹くすさぶ。枝は凍り、桜の花が狂ったかのように開いている。こんな春を恨む紅化粧をしても、香がうら寂しい。番いの鶯もその幸せな佳き日々はなんと短いのだろう。

   憂悒たる蘭房 一石
   荷風 樹樹 枝枝 碧たり
   花は謝し 流鶯 別離を惜しむ
   憂悒(ゆうゆう)たる蘭房 雲 忽ち暗し
   露華の玉箸(ぎょくちょ) 暁粧遅し

蓮の葉に吹く風、樹木の枝々も緑が濃くなっている。(桜の)花は散り、春の終わりの鶯も別れを惜しんで鳴いている。そんな春の憂いに満たされた女の部屋には雲が深く垂れ篭めるかのように、美しい女の露の華のような涙で、朝化粧をするのも遅れている。


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現代ヴァージョン・・・・。

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もしかして

丸山恭子さんかしら?

  • 2014/05/28 11:40
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