Entry

トップ > 映画 > Dr.Lukeの一言映画評

Dr.Lukeの一言映画評

ファイル 430-1.jpgクライマーズ・ハイ』。85年、お盆で帰省していた私の実家のテレビで、NHKの木村太郎氏が冷静に日航ジャンボ機が行方不明になったと告げた。長女が1歳で、庭で遊ばせていた時だったが、今でもはっきりと覚えている。その時、群馬の地元新聞社で起きていた事。これを当事者として経験した『半落ち』(ずっと前に紹介した)の横山秀夫氏が17年かけてまとめたドキュンメタリー小説の映画化。確か、数年前にNHKが三浦友和でドラマ化していたと思うが・・・。ストーリーなどはこちらを。

感想としては、ネタを追うこと、他社を抜くこと、情報の真偽の判断の難しさ、現場の混乱の様、実によく描けていた。好色な社主を山崎務が、正義感と慎重さと言う誠実さが現代のメディアでは仇になる主人公を堤真一が好演していた。台詞が方言なのか、もじょもじょしており聞き取りにくいが、これも演出か。しかし新聞社のシゴトの厳しさは尋常ではない。「生き馬の目を抜く」とはまさにこの世界。10時半就寝の私などとてももたないわけで・・・。それにしても公器である新聞とは言え、商売なわけで、紙面や記事の立て方もいろいろな思惑がある。読者側としては、単に活字を追うだけでなく、その意図を"読む"必要があるのだ。

当時のセットがよくできていたが、ダイアル式の電話と公衆電話が懐かしい。最近の若い子は、ダイアルを"回す"ことを知らず、穴に指を入れて一生懸命に番号を"押す"のだそうだ。ちなみにわがカミさんは液晶のタッチパネルを一生懸命に"押す"のだ。フェザータッチで触るだけでイイのに・・・。それにしてもケータイがないと、現場ではかなり悲惨な状況になるわけだ。テレックスがガチャガチャしていた光景も懐かしい。

またデスクの上に紙が散乱しており、スクラップブックの束がこれまた懐かしい。PCがまったくない光景も、しばし忘れていたものだ。これに違和感を覚える私も時代に飲まれているのだろう。思えば85年のあの夏の日からすでに23年。事故原因の圧力隔壁破壊説もまだ疑問・異論が出ている。自衛隊の動き方の不審さ、米軍の干渉など、政府の公式事故調委報告書には疑問が多い。そしてまた今年もその時期が訪れる。遺族にとってはまだ事故/事件は終っていない。

JAL123 Forever

 * * *

私は前々から、ここでも大学の講義でも、ニッポンにもスラム化が起こるであろうと指摘している。そして事実、現場に関わっている人々はそのことを強く危惧しているようだ(→記事)。ニッポンキリスト教の有様を見ていると、まずはこのギョウカイから起こるであろうと予想するし、すでに起きているわけだが、三島の憂国の情は届いていないようだ。

 * * *

日経夕刊によると、一人当たりGDPがシンガポールに抜かれたようだ。メモって置こう。

    • シンガポール:35,162㌦
    • 日     本:34,312㌦
    • 香     港:29,649㌦
    • 韓     国:19,750㌦
    • 台     湾:16,605㌦
    • 中     国: 2,460㌦

シンガポールの鍵は法人税率18%、個人所得税率20%。ちなみにロシアは13%。税率を下げた国は栄えている。対するニッポンは消費税率などを引き上げ方向。根本的に間違っている。税を引き下げ、実質収入を増やして、心を解きほぐすことがポイント。今のままでは、マネーが回転しないで、余ったマネーが投機資金にまわるだけ。為政者がアホな国民はまことに不幸だ。

Access: /Yesterday: /Today: