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ISISの意味するもの

イラクの混乱が増している。が、これは既定路線だ。私はかつてこう書いた。

今後、イラク国民はフセインの圧制からは解かれても、本質的なアイデンティティを傷つけられ、自主自立することはできず、よって無政府状態下における現在行なわれている不正がこのまま横行するか、あるいは地下に潜伏する形となり、安定した政府は確立しないでしょう。もぐら叩きのように反政府勢力がゲリラ化して、絶えず表の政府を脅かすでしょう。

これは精神病理学的には強迫反復の病理であり、インディアンを虐殺したアメリカがその真実を抑圧する結果、絶えず正義と自由の名目の元で同じ事を繰り返すのです。つまりアメリカは良心が病んでおり、その絶えざる呵責を抑圧するために、ヒステリックに正義と自由を主張しつつも、その行為の本質はインディアンに対して行なった事の繰り返しです。

究極的に人を治めるものは理屈や理由付けではなく、神の権威に服することから生じる平安と安息を伴なう徳です。これは理屈や合理性を超えたところに存在します。しかしアメリカは神を恐れるどころか、神の代理権威のようにふるまい、この徳を、むしろ自ら打ち壊しました。これは「自由な者は略奪でも何でもできる。」という彼らの言葉によって証しされています。よって

アメリカはこれから末長くこの”信仰”の実に苦しむことになるでしょう。

今回のIslamic State of Iraq & al-Sham (ISIS)については次の記事が参考になる*1

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イラクではムハンマドの親族を正統後継者とするシーア派が主流。スンニ派よりも原理主義的だ。彼らの目的はひとつ。イスラム法(シャリア法)による統治、すなわちカリフの設立である。これについてもここで次のように書いた。

2011年、7月9日、英国で"UK Khilafah Conference"が開催される。カリフ、要するにシャリア法による社会の統治によるウンマ(イスラム共同体)の実現だ。彼らの霊的パワーは強い。対して、主の血潮、十字架、御言葉、そして御霊を侮る世俗化され、ヒューマニズムに毒されたいわゆるキリスト教にはもはや対抗する力も術もない。わがニッポンでもマスコミなどが中東の「民主化」とかオメデタイことを言っているが、愚かなもの。アレは「第二イスラム革命」だ、と私はここで何度も警告してきた。次のプロモ・ヴィデオを見れば明らかだろう。くだらないギロンや内部相克で真理を逸脱し、御言葉を侮るわがニッポンキリスト教など、イスラムの前には赤子の手を捻るようなものだ。カプセル化、あるいはガラパゴス化したこの国の霊的将来は悲惨なものだろう。

かくしてこのISISの動きはアッシリア、バビロニア、そしてペルシャ帝国の再来となる*2。ついにはかつてのオスマン帝国が再来する(→「本日の一冊:トルコの台頭」)。まさにニムロデの拠点、シヌアルの地だ。文字通りのバビロン。そしてそれはエゼキエル38章(Eze 38:3-9)へとつながるのだ。

このFlashは再掲しておこう:

*1:ただし、次のような観測もある。要するにアメリカが背後で支援しているヤラセだというわけ→"The Engineered Destruction and Political Fragmentation of Iraq. Towards the Creation of a US Sponsored Islamist Caliphate"
*2:シーア派の正統預言者はペルシャ帝国の血筋から出るとされている。

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