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海南行-細川頼之

・・・うーむ、小生の現在の境涯を見事に射抜いている詩だ。

人生五十 功無きを愧(は)ず
花木 春過ぎて 夏已(すで)に中ばなり
満室の蒼蝿(そうよう) 掃(はら)えども去り難し
起(た)って禅榻(ぜんとう)を尋ねて 清風に臥せん

注:蒼蝿=うるさい連中;禅榻=座禅するときの腰掛

細川頼之(1329-1392)。南北朝時代の武将、足利尊氏の下で功を立て、管領となり、幼少の三代将軍足利義満を補佐するも、讒言(ざんげん:偽りの訴え)にあい、要職から外された(=クーデター)。志をくじかれた頼之は頭を丸め、常久と改名する。そして故郷の讃岐へ下るが、「海南行」はその時の想いを詠んだもの。ある種の諦観というか、達観の境地を歌っている。・・・が、10年後、彼は要職に復帰するのだった。

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