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父の涙

谷村新司アリスは、竹内まりやと共にわが青春の一コマだ(否、まだまだ継続中)このサイトを見ると、彼も実に熟し、また枯れつつある。中国の大学の音楽教授の職にもあるようだが、彼の曲は詩に物語があり、メロディも美しいし、感情的にもかなり入り込んでしまう。

中でもわがカラオケの定番に『群青』という名曲がある。はるか1981年の映画『連合艦隊』の主題歌で、森繁久弥が戦艦大和と特攻隊で二人の息子を失う。その悲嘆の中で残された孫と共に海岸にたたずむ老父の場面に涙したものだ。谷村の詩は日本語としてもきわめて美しく、私の内なる日本人の心に深く触れるのだ。と、同時にこの詩には「御父の涙」を投影して、二重に魂が揺すぶられる:

(一)
空を染めてゆく この雪が静かに/ 海に積りて 波を凍らせる
空を染めてゆく この雪が静かに/ 海を眠らせ 貴方を眠らせる

手折れば散る 薄紫の/ 野辺に咲きたる 一輪の/ 花に似て儚きは人の命か
せめて海に散れ 想いが届かば/ せめて海に咲け 心の冬薔薇

(二)
老いた足どりで 想いを巡らせ/ 海に向いて 一人立たずめば
我より先に逝く 不幸は許せど/ 残りて哀しみを 抱く身のつらさよ

君を背おい 歩いた日の/ ぬくもり背中に 消えかけて
泣けと如く群青の海に降る雪/ 砂に腹這いて 海の声を聞く
待っていておくれ もうすぐ還るよ

愛知県のさっちゃんのBlogに同じタイトルのエントリーがあったので、ちょっとご紹介する次第。

追記:山谷少佐も「神は、少しも差し控えることなく、神ご自身を、御子イエスキリストにおいて、わたしたちにお与えになりました」と書かれてます。神が私たちの嗣業であり、財産となられたのですが、そのために御子を裂くと言う過程において、御父の心が切り裂かれたのです。

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