点と線
- 2007/11/25 23:24
- Category: 日記
松本清張原作『点と線』。4分間の作為を見抜く自身を描いたようなベテラン刑事鳥飼をタケシが講演していた。なかなか見応えがあった。テレビドラマにしてはセットも時代考証もよくできていた。いわゆる江戸川乱歩的な怪奇推理小説から、人間の本性を鋭く抉る社会派推理小説のジャンルを開拓した同氏のデビューは遅く、貧しい印刷工として底辺から社会を見据えていた。その観察眼は鋭く、推理小説に人間ドラマを織り込んだ。そして常に社会悪と不条理に対する弱者の視点からの憤り、それもかなりヘヴィーな感情を織り込んでいた。要するに暗く、重い作品群。今回のドラマは当時としては予言的な作品であり、現在の偽装国家ニッポンの到来を彼は危惧し、知っていたのだろう。彼がニッポンキリスト教を描いたら、果たしてどんな作品ができたことであろうか?
Luke
ありましたね、キリスト教界の暗部を描いた作品『黒い福音』(↑のリンク)。読者の方が教えて下さいました。実際に起きた事件を素材にした作品です。私はまだ読んでいませんでしたが、もうひとつテレビドラマ化されて、中村雅俊が主演した、表は清楚にして敬虔なキリスト教徒、その裏に狂気を潜ませている女の犯罪を描いた作品もあったような・・・。タイトルは忘れました。