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Dr.Lukeの一言映画評

ファイル 763-1.jpg現役の臨床医でもある海堂尊氏原作の『ジェネラル・ルージュの凱旋』。先の『チームバチスタの栄光』に続く作品。

・・・ではあるが、前回の巧みな医学知識に基づいたミステリーを解いていく構成に対して、今回のはそれが欠如。現役の医師なのだから、専門知識に基づいたミステリーを期待していたが、今回はいまいち。単なる推理小説的ヒューマンドラマ。これなら別に医師でなくても書けるだろう。

竹内結子演じるちょっと抜けた心療内科医田口と、阿部寛演じる東大卒のエリート意識丸出しの厚生労働省役人白鳥の掛け合いは面白いが、先の切れ味鋭い白鳥の推理が今回はほとんど生かされていない。これでは夫婦漫才だ。ただ、殺人事件の真犯人は意外にも成るほどと思える人物なわけで、まあ、リアルでもこれはあり得るかな(それに類するストーカー事案は現にあった)。

救急医ジェネラル・ルージュ役の堺雅人がそれなりの雰囲気を醸していた。彼はこれから期待できる役者ではあるが、トリアージのジレンマと残酷さによる葛藤を描く場面はやや薄い。ちょっと期待があった分、残念ではある。

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