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Dr.Lukeの一言ドラマ評

ファイル 957-1.jpg城山三郎原作、日曜劇場『官僚たちの夏』。これはかなり面白い。セットや時代考証も映画並み。戦後の復興過程において日本が努力して成功する領域に対して、アメリカがあえて自分勝手な難題を、「国際化」の名目の下で突きつけてくる中で、官僚たちは懸命にニッポンを守ろうとしたのだ。

しかるに残念ながら彼らは政治家の思惑にも押されて、結局は屈辱的な要求を呑み、アメリカの言いなりになってきた。国民も「官僚は私利私欲で動く」と言う刷り込みをされて、政治家にも、官僚にも信頼を置くことを放棄した。では誰がこの国を守るのか?実はこうして丸裸状態にされることもアメリカに利を与えるだけだったのだ。マスコミも国民に媚びる報道だけ、真実を指摘することはついになかった。

例の郵政民営化とてもすでに10数年以上前から、アメリカより「年次改革要望書」なる内政干渉文書が毎年にニッポンに送られて来ていたのだ。結局は植民地政策を取るしかない去勢された国家ニッポン。このドラマはその圧力の中で、対米追従型官僚と国益優先型官僚の葛藤を描きつつ、官僚目線から歴史を描いている。

ファイル 957-2.jpg精神的にも、経済的にもむしられるだけのわが国。対米路線を取ることが国益に沿うとする価値観もすでに危うくなっている。アメリカに捨てられたとき、果たしてわが国の運命は?教員仲間では、冗談で、中国の自治区にでもされるか、とか言っているが、すでに外貨準備が2兆ドルで世界No.1に躍り出た中国のこと、あながち・・・ではある。グラフは2050年の予測GDP。実に寒いと思いませんか?

北大路欣也がつい万俵家を想起させるが、日曜日の夜のしばしの楽しみだ。

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