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朝の月に想ふ

本日02時11分、冬至。今朝の光景、朝の月もなかなか風情がある・・・・。大石も山科で同じ月を愛でていたのだろう。漢詩がまたひとつできそうだ。

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 山科を想いて詠める詩(五絶・仄起式・上平声十灰韻)
 一陽 短景を催し
 殘月 碧雲を開く
 武を尚ぶ 心 淸浄にして
 風人 百年 灰たり

 注:一陽=冬至;風人=風流にして洒脱な人;灰=虚しい

杜甫の『冬至』を紹介しておこう。晩年の彼が官職を捨てて、江南を彷徨っていた頃の心境を歌ったもの。極私的にはまさに漂泊の現代人の心を描いていると思うのだが。この3年後に彼は孤独の中で世を去る。

 年年至日 長(つね)に客と為り
 忽忽たる窮愁 人を泥殺(でいさつ)す
 江上の形容、吾れ独り老い
 天涯の風俗、自ら相親しむ
 藜(れい)を杖(つ)いて雪後丹壑(たんがく)に臨むに
 玉を鳴らし 朝来 紫宸(ししん)に散ずるならん
 心折れて此の時一寸も無く
 路迷へば何れの処か是れ三秦(さんしん)ならんや

 注:忽忽=心がうつろなさま;泥殺=甚だしく悩み苦しみ、生気を失う;藜杖=アカザの茎で作った軽い老人用の杖;丹壑=赤い谷;紫宸=唐代に臣下が皇帝に拝謁する大明宮中の御殿;三秦=陝西省一帯、特にここでは都長安を指す

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