Entry

トップ > 漢詩 > 桃紅李白-簡文帝

桃紅李白-簡文帝

ファイル 4461-1.jpg
ファイル 4461-2.jpg
ファイル 4461-3.jpg

この時期、朝の空気が実に新鮮にして爽快。汗がスーッと引いて、肌をなでる風がなんとも☆カ☆イ☆カ☆ン☆だ。

度々、漢詩を紹介しているが、最近どうも漢字は避けられる傾向にある。極私的には高校の国語の教科書にあった中島敦の『山月記』で漢文のカッコ良さに目覚め、いつか漢詩を詠みたいと思ってきた。で、最近、素人の手遊びでやっている次第。本音は、FBには中国語と漢文の専門家もおられるので、恥をさらす覚悟なのだ

で、何分、表向き四角四面の固い漢詩ではあるが、もとは人のことば。人の営みや心の感動や葛藤から生まれるもの。今回はちょっと男女の機微を詠った艶っぽいものを紹介しよう。最近は告白も別れもLINEでチョイチョイ、みたいな感じだろうが、やや情緒に欠ける。対して簡文帝(503-551)の『玉台新詠』にあるこの詩は、実に女性の気持ちを鋭く描いている。特に最後の一句などはまことに秀逸!(分かる人には分かる、これは経験を重ねることによるが・・・ここがかわいい)。

蕭侍中子顯春別に和す四首 其四桃紅李白
桃は紅(くれない)に 李(すもも)は白く 朝の妝(よそお)いの若(ごと)し
羞(は)ずらくは 憔悴(しょうすい)を持して 新楊(しんよう)に比するを
借しまず 暫(しばらく)く住(とど)まりて 君前に死するを
愁(うれ)う 西國更生の香り無きを

桃は紅色に、李は白くて、まるで朝化粧をしたばかりのよう
昨夜の悦びにぐったりしたあたしは、瑞々しく芽生える柳に恥ずかしいほど
あなたのお側にしばらくとどまって、死んでもいいけれど
それでも、西国の生き返り薬がないと困るわね

Comment

奈良のさっちゃん

ご無沙汰しています。中島敦の「山月記」に反応してしまいました。
「臆病な自尊心と尊大な羞恥心」ありましたね~。学んでいた頃が懐かしいです。
主人公の李徴の事を「クラスメイトの〇〇君だと考えたら分かり易いよ!」と言った
女友達がいました。言いえて妙だったので「なるほど」と納得してしまいました。
先日あった同窓会に彼は来られていませんでしたが、どうされているのかなぁ~。
漢詩の話題から外れてしまって、すいませんm(_ _)m

  • 2014/09/17 01:49
  • Edit

Luke

おはようございます。そうなんです、己の珠に非ざることを惧れるが故に、敢て刻苦して磨こうともせず、又、己の珠なるべきを半ば信ずるが故に、碌々として瓦に伍することも出来なかった、実はこれ私自身なんですね。主を知らなかったら、私も虎になってしまったでしょう。

  • 2014/09/17 07:38
  • Edit
Access: /Yesterday: /Today:
{literal} {/literal}